消費する旅から、未来に向けて何かを生み出す旅へ

 私にとっての旅とは、世界の市場、多国籍企業が戦い続けていく舞台が、どのような姿を持ち、それがどう変わるかを考えるための機会です。

 隣に座っている人に話しかけるだけでも、世界は広がります。その人がロシアの富豪だったこともあれば、現地で活躍する若手のピアニストだったこともありました。

 非日常が手に届くところにあるのが旅であるならば、その非日常に気づかず通り過ぎていくのは、少しもったいないことでしょう。

 旅という行為を、単に消費する行為から、未来に向けて何かを生み出すための行為とするためには、教科書を破り捨てて、ありのままを、自分が感じるままに捉えることも悪くはないと思います。

 みなさんも「そうだ、◯◯◯いこう」というくらいの感覚で、気軽に、ガイドブックを持たずに世界を見て回りませんか?

 ではまた。

 *1 Levitt, T. 1983. "The globalization of markets." Harvard Business Review 61(3): 92-102.
 *2 Ohmae, K. 1990. The Borderless World: Power and Strategy in the Interlinked Economy. HarperCollins Publishers.
 *3 Friedman, Thomas L. 2005. The World Is Flat: A Brief History of the Twenty-first Century. Allen Lane.

経営学は、実学であると同時に、「知の系譜」で構成される社会科学である。第12回は、社会科学としての経営学とは何かに迫る。次回更新は、4月7日(月)を予定。


【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ】

『領域を超える経営学——グローバル経営の本質を「知の系譜」で読み解く』(琴坂将広 

第11回 <br />9.11に歓喜する人々、スパイ疑惑で全身スキャン…<br />ガイドブックを捨てた旅から世界の多様性を学ぶ

マッキンゼー×オックスフォード大学Ph.D.×経営者、3つの異なる視点で解き明かす最先端の経営学。紀元前3500年まで遡る知の源流から最新理論まで、この1冊でグローバル経営のすべてがわかる。国家の領域、学問領域を超える経営学が示す、世界の未来とは。

 


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