ここまでの話は、アイデアを思いつくといううえで、当たり前の話。ただ、この当たり前のことをテクニカルに意識できているかできていないかが、発想力の違いを生みます。
よくクリエイターが「アイデアが降りてきた」って言いますが、「それってどういう状態?」と気になったことがありました。調べると「常に問いかけていて、そしてぶれない」ことがわかりました。「気になるものを常に集めていて、身のまわりに置いている」んです。
そして、「雑談上手」。
この3つがそろうと、アイデアは組み合わせなので、「思いつく」という頭の中の現象が知らず知らずのうちに身につきます。
企画書ってなぜ通らないのか?
「誰に向けて?」
「この組み合わせのどこが面白いの?」
これが欠けているとダメ。選ぶほうは、ほとんどの場合、ここしかみていません。考えすぎて過剰になっているのもダメです。
「思いつく」のあとに、必要な4つのこと
まずは、「思いつく」をメインにまとめました。長寿番組を長くやっていると、多くのスタッフが基礎的な腕立てや腹筋のようなことを日々やっていることで、2世代続くような番組ができていることがわかります。
そのあとに、「組み立てる」です。アイデアを思いついたあとの組み立て方が重要。ジグソーパズルを平面に組み立てるのは普通ですが、発想を変えると、立体的に組むことも可能。そうすると、同じパーツでも別の組み合わせができます。
そして、「確かめる」。自分なりの教科書をつくることです。私の場合、新しいか、面白いか、珍しいか、この3つがあればいいとしています。意外に、この3つをそろえるのが難しいのです。
それから、「伝える」。私はテクニカルに10%の不条理を残すようにしています。理解できないものを少し残す。つまり、想像する余白をわざと残すことです。わざと「何これ?」という引っ掛かりを残します。