家族との時間が増える連休は、子供の生活習慣を考えるいい機会。親が介入できる生活習慣には食習慣、運動習慣と色々あるが、根本的には親の「子育てスタイル」が影響するようだ。

 先日、米国心臓協会(AHA)から、「一方的に要求ばかりする親の子供は、肥満しやすい」というレポートが出された。

 研究グループはカナダ在住の0~11歳の3万7577人を対象に、子育てのスタイルと小児肥満との関連を調べた。その結果、一方的かつ冷酷に権威を振りかざす親(authoritarian)に育てられた子供は、愛情を持って子供と話し合いながらルールを決めていく親(authoritative)の子供と比較して、肥満しやすいことが示されたのだ。

 肥満リスクは2~5歳児で30%、6~11歳児では37%も上昇するという。この傾向は、世帯収入の多寡にかかわらず顕著で、研究者は「親が自分の子育てスタイルに気を配り、愛情と制限のバランスを取るなら子供の肥満は抑えられる」としている。

 同じくAHAの別グループの研究では、肥満/太り過ぎの若者は、正常体重の若者より、ナトリウム(塩分)過剰の影響を受けやすいことが示されている。

 この調査では766人(14~18歳)を対象に、ナトリウム摂取量平均2388ミリグラム/日群と4142ミリグラム/日群を比較した。米国のナトリウム摂取基準は1500~2300ミリグラム/日(食塩換算で3.8~5.8グラム)。摂取量が少ない群でもオーバー気味である。

 ところが、同じナトリウム摂取量でも肥満/太り過ぎの若者は、正常体重の若者より細胞分裂の回数を決める「テロメア」の長さが有意に短く、細胞分裂が止まる=細胞の老化が進行していることが判明したのだ。つまり、濃い味嗜好に肥満がプラスされると、細胞レベルで寿命が縮まるというわけ。

 近年は、7歳までの肥満の4割、思春期の肥満の7~8割が成人肥満に移行し、生活習慣病の温床になることが判明している。子供のころに染み付いた“生活グセ”を修正するのは難しい。何にせよ親の責任は大きいのだ。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

週刊ダイヤモンド