初期対応では「D言葉」を封印する

 では、クレームの発生現場では、どのような対応をすればいいのでしょうか?

 それは、D言葉に代わって「S言葉」を使うことです。

 S言葉とは、「失礼しました」「承知しました」「すみません」といったフレーズです。

 たとえば、この事例ではこんな具合です。

社員「枠で囲んである部分です」
お客「……『プッシュ』とは書いてあるが、よくわからんな」
社員「失礼しました。それでは、私からご説明してもよろしいでしょうか?」

 こうした対応をすれば、相手のプライドを傷つけることもなく、お客様がモンスター化することもないでしょう。

 ここで大切なのは、D言葉を使うことで相手の話の腰を折ったり、相手の言い分に反論するのではなく、まずはS言葉で相手の感情を受け止めることです。

 興奮している相手に対しては「常識」が通用しないことを念頭に置き、相手を論破しようなどと考えてはいけないのです。