特に、頑張っているけど成果が上がらないという営業マンに多いのが、ステップ1と2でやるべき手順を踏んでいないケースです。

 具体的にいうと、次の1. 〜3. です。

1. お客様が「商品・サービスを検討する理由(動機)」を、聞き出せていない(ステップ1)

2. 商談・サービスの購入について、いつまでに結論を出すのか、その期限をお客様と合意できていない(ステップ2)

3. 商談案件の契約に十分な「筋書き(営業ストーリー)」がつくれていない(ステップ2)

 この1. 〜3. は、初回か2回目までの訪問で、着実に実践されるべき重要なポイントです。こうした陥りがちなミスを未然に防ぐため、営業マンが各自で意識して日々の営業活動をおこない、リーダーが適切に助言してあげると、個人はもちろん、チーム業績は大きく好転します。

リーダーは提案活動や契約締結より
顧客の発掘など商談の初期で手助けしよう

 リーダーも、ついステップ4〜5を手助けしがちですが、むしろステップ1〜2でボタンの掛け違いがないよう重点的に支援してあげることが大切です。

 実行できていない営業マンは、そもそも踏むべき手順を知らない、あるいは、単に気が弱かったり恥ずかしかったりしてお客様から必要な情報を聞き出せていないのかもしれません。リーダーは、できていない原因をみつけて、適切な助言をしてあげましょう。たとえば、気が弱くてお客様に切り出せないという営業マンには、具体的にお尋ねする言い方を教えたり、一緒にお客様を訪問して目の前でやってみせるのもよい方法です。

 本連載では、営業マンが営業プロセスを理解してみずからの問題に気づき、他のメンバーやリーダーがそれを手助けするのに有効な「見極めチェックリスト」をはじめ、チーム全体の案件の進捗を「見える化」できるツールなども併せて紹介していきます。

 これらを活用することで、契約に結びつきやすいお客様かどうか、あるいは営業をかける優先度や、実際に契約できる実現度が、「見える」ようになり、成約率が上がり、時間を効率的に使えるようになります。ぜひ、これらのツールを皆さんの会社の組織や扱う商材に合わせてアレンジして使いこなして頂ければ幸いです。

本連載で紹介する営業プロセス=段取りをみずから設計し、必要に応じて修正しながら、正しく踏んでいくことで、準備にかけた大切な時間を、結果としては最短で誰でも必ず結果に結びつけることができます。まずは試してみてください!


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