経営 × オフィス

目の前にいない部下を、どうやって評価するか?
――「働き方変革」推進企業の人事部が越えた壁

河合起季
【第2回】 2014年6月13日
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 新人事制度の3つの柱は、それぞれ以下のように運用されている。

 (1)テレワークは、「社外で成果をコミットする働き方」と定義。在宅勤務だけでなく、外出先で仕事をするリモートワークも含まれる。対象者は、自己管理がきちんとでき、約束通りの成果があげられる人。東日本大震災を機に、生活事情、交通事情で出勤が難しい人も加えた。利用単位は原則、1日または半日(時間外労働は原則禁止)で、チームごとにテレワークや休暇の日が重ならないようにスケジュール管理が行われている。

 (2)フレックスタイムは「自分で計画した時刻に業務を開始し、終了する」制度で、対象者は非管理職。出社を義務づけるコアタイムは10時~15時、始業・終業時刻を選べるフレキシブルタイムを始業7時~10時、終業15時~22時としている。

 (3)シフト勤務は、顧客企業に常駐して24時間体制でネットワークを監視するような、SI企業であるネットワンに特有の業務のための制度だ。「会社が指定する時間帯に所定労働時間をシフトする」。対象者は業務遂行上、必要と認めた場合と、仕事と家庭の両立を図るために必要と認めた場合。この制度は、顧客のネットワークを24時間監視するため、働く時間帯を調整する目的がある。

目の前にいない部下を
どうやって評価するのか

 導入時に社員の最も戸惑いが大きかったのは、評価やコミュニケーションに関することだったという。

 同社では、目標に対してどこまで達成したかという成果と、その成果を出すためにどういう行動をとったかというプロセスの二面から評価する目標管理制度を導入している。このため、テレワークに対して、マネージャーからは「部下の仕事ぶりを見られない。どう評価すればいいのか」「コミュニケーションが疎かになり、組織運営に支障を来たさないか」、社員からは「職場にいないと上司の印象が悪くなるのでは」「きちんと評価してもらえるのか」といった不安の声が上がったのだ。

メールによる連絡のガイドライン(ネットワンシステムズ作成)拡大画像表示

 そこで下田氏は、『テレワーク制度ガイドブック』をつくって、意見交換会を繰り返し開き、次のような啓蒙を行っていった。

 「評価やコミュニケーションの問題は、アウトプット(成果)の報告メール(右の図表参照)で十分解決できます。たとえば、在宅勤務で『正しく評価してくれない』と思うなら、自分の出した成果をそのメールでマネージャーにアピールしなさいと話しています。思うような成果が出なかったときも、どんな点に苦労したのか、どのように改善したのかといったプロセスをアピールすればいいわけです」

 一方、マネージャーは、身近にいないからわからないでなく、プロセスが不明なら事後のコミュニケーションによって確認すればいい。そういう報告とコミュニケーションを義務づけるように指示したという。

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