週刊ダイヤモンド
 農業ブームです。前回2月に『週刊ダイヤモンド』で農業特集を組んだときも、大きな反響をいただきました。

 これまで農業には縁がなかったけれど、関心があるという人が増えて
います。田舎暮らしがしてみたい、安心・安全なコメや野菜を食べたい、地元の農業再生のために地域貢献したいと、理由は人それぞれです。

 今回は、農業経験ゼロの方が本格的に就農を目指す場合はもちろん、趣味としてベランダ園芸や週末就農をやる際にも参考となるよう、「農業入門」のノウハウを数多く盛り込みました。

 本格就農では、脱サラや主婦から農業を始めて成功している人もいますが、生活費が稼げるようになるにはだいたい3~5年かかるようです。

 脱サラして茨城県で営農する久松達央さんは、「経済農家がやりたいのか、田舎暮らしを始めたいのかはっきりさせること」とアドバイスしてくれました。

 農業で身を立てるには、それなりの覚悟と戦略が必要です。

 成功している人に共通しているのは、既存のベテラン農家との違いを出して自分なりに差別化していること、販路開拓に熱心なこと、そして投資は最小限に抑えるといった優れた経営センスを持っていることです。農業での生計を考えている人には、必見の特集です。
 
 実際には、そんなに本格的ではなく、趣味で野菜が作りたいと思っている人のほうが多いでしょう。

 小田急電鉄が運営する会員制貸菜園「アグリス成城」は月額利用料が1万2000円。スポーツジムに通う感覚で、週末就農を楽しむ人が多いと聞きます。取材当日は親子3世代で園芸を楽しむ姿が見られ、土いじりが家族交流の場になっていました。

 もっと手軽にベランダでもできます。これなら、誰でもお金をかけずに始められ、生活に潤いをもたらしてくれます。

 企業の参入事例も増えてきました。規制緩和を背景に、大手流通業のイオンも茨城県牛久市で参入を決めたばかりです。

 企業の農業参入というと、ワタミやイトーヨーカ堂など大手企業のイメージが強いですが、数のうえでは地方のゼネコンや食品メーカーなど、中小企業によるものが圧倒的に多いのが実態です。

 ゼネコンの場合は、本業の市場が縮小するなか、生き残るため多角化の一環で参入するというケースです。

 とはいえ、本業の閑散期を利用してうまく労働力を振り分けたり、ハウス建設は自ら手がけたりと、本業の強みと農業をいかに結びつけるかが、事業として成功させるポイントとなります。

 本格参入もよし、趣味の楽しみもよし。まずは、土に触れてみることから始めませんか。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 須賀彩子)