あの有名アーティストも学んだ!?
「届ける力」を育てる3つの仕組み

アオバ・ジャパン・インターナショナルスクール「Speech Contest」で優秀者に選ばれた生徒たち

 アオバ・ジャパン・インターナショナルスクールは1976年創立、東京都練馬区光が丘と同目黒区代官山にキャンパスを持つ、幼児~高等教育までを一貫して提供するスクール。国際バカロレアの認定候補校でもある。著名な卒業生としてはファッションデザイナー山本寛斎氏の娘でモデルの山本未来さんなどが挙げられる。

 そんなAJISで今年5、6月に「Independent Studies」および「Speech Contest」というプログラムの発表会が開催された。「Independent Studies」とは「自ら課題設定し、解決していく」学習の進め方のことで、大学教育で多用される教育手法である。「自主学習」「個人学習」と訳されることが多く、単なる自習と混同されることも多いが、AJISによると、「今回の取り組みでは、自ら設定したゴール達成のために教員を巻き込んだり、生徒同士の協力を行うなど、解決に向けた創意工夫を重視して実施」しているとのこと。

 これら「Independent Studies」と「Speech Contest」はそれぞれ、生徒が中長期にかけて自らテーマを設定、発表に向けて取り組んでいくプログラムだ。これだけを聞くといわゆる一般校で取り組まれている「総合的な学習」と大差ないように思われるかもしれないが、従来型の教育と異なる点が3つある。

 1つ目が、生徒自身が体系化/フレームワーク化を無意識に身につける工夫がなされていることだ。「Independent Studies」は1年間、「Speech Contest」は2~3ヶ月間という、どちらも1年間という長期に渡るプロジェクトであるにもかかわらず、すべての生徒が高レベルなアウトプットを実現することができている。それは「課題設定」→「仮説立案」→「調査検証」→「発表」の一連のフレームワークを、実施しながら身につける進行になっていること。そして、「Independent Studies」は中学2年生と3年生、「Speech Contest」は小学校4年生と5年生にあたる2回取り組む機会があるので、身につけたフレームワークをさらにレベルアップさせる機会を持っていることも、その精度を高めることにつながっている。

 2つ目は、大人の役割が「指導」にはないこと。一般的に教育(授業)における教師や親といった大人の役割というのは「正解に向けて教え導くこと」が想定されがちだ。わかりやすい例に、「夏休みの自由研究を親に手伝ってもらった」思い出を持つ読者も多いのではないだろうか。対してこのプログラムではテーマ設定から発表に至るまで、大人が答えを設定することはない。「Speech Contest」のプロセスについて中学3年生のある男子生徒は「貧困問題について授業で扱ったことをきっかけに、逆に“発展しすぎた世界”で起きる問題について考えることを思いついた。先生は文法について直してくれたりしたくらいで、内容には口を出さなかった。自分で考えたことを基に、このテーマについて先生や親と議論したことを結びつけて作っていった」と語ってくれた。

 最後は、「伝わる表現方法」に徹底的にこだわること。一般的な学校教育の現場では「調べたことを模造紙やパワーポイントにまとめて発表」という定式化されたフォーマットに沿って半ば儀礼的な発表が各発表者からなされる、というイメージにうなずく読者も多いのではないだろうか。