集団的自衛権の行使容認が
逆に日本の防衛力を弱める可能性も

 私は当初から本欄で、集団的自衛権の行使容認が、逆に日本の防衛力を弱める可能性が強いことを指摘してきた。

 狼の群れはときに羊の群れにかなわないこともある。それは大義と士気(覚悟)、それに結束力で著しく劣る場合だ。ベトナム戦争はその好例だろう。

 自衛隊員の「国を守るための覚悟」は他のどの国にも負けていない。結束力についても同じである。だが約束にない任務(すなわち大義と思えない任務)に不安や戸惑いが生じるのは当然だ。私の耳にまで入る実情が安倍晋三首相にも届いているのだろうか。

 自衛隊員は、自分の命を捧げる覚悟をしなければ務まらない。

 だが「国を守るため」と目的は明確に限定されている。決して「どのようにでも使ってください」と命を国に預けたわけではない。

 集団的自衛権の行使によって、反日ばかりか反米の容赦ない矛先もこの日本に向いてくる。テロに無防備な日本は絶好の標的になるに違いない。

 ますます国論の分裂を招いて国の結束力を弱め、自衛隊の不安と戸惑いを増幅して弱体化させる。今はそんなことをしている時ではあるまい。