流儀1 自分の状態変化に敏感になる
炎上する会議では、自分自身も平静ではいられません。自分の中の炎が燃え上がらないようにコントロールしないと、たちまちその場は大混乱に陥ります。
自分の状態変化に敏感になることは、賢明なアクションをとるための基本です。
私たちの身体は、ちょっとしたことにも敏感に、瞬間的に反応するようにできています。例えば、権威のある人が眉をちょっと吊り上げただけでドキッとしたり、隅の方で始まったひそひそ話に不安になったり、「休み時間は、まだ?」と聞かれただけで、咎められた気分になったり……。
身体の変化や感情の変化に敏感になると、「あっ、いま、感情のスイッチが入ったな」とか、「恥ずかしさで、顔が火照ってきたな」と気づけるようになります。どんな時に身体が変化するか瞬時に気づき、感情のスイッチがどこにあるかわかっていれば、衝動に振り回されることなく意識的に行動を選択することができます。
流儀2 「いま、ここ」に集中する
スピードと成果を要求される厳しい話し合いの場では、ファシリテーターは忙しくいろいろなことを考えています。「さっきの発言は、どういう意味だったのか?」「あんなこと、するんじゃなかった」と過去にとらわれ後悔したり、「この先どうすればいいか」「早く次にいかないと」と未来に対して心配し過ぎてしまうこともしばしば。ファシリテーターが集中力に欠けた状態では、とうていうまく進めることはできません。
不安やイライラした気分は参加者に伝染するのです。
「いま、ここ」に集中することを意識すると、気持ちが安らぎ、緊張や怒りが解け、安心・安全の場を提供することができるようになります。
流儀3 オープンマインドを保つ
ファシリテーターは誰しも「オープンマインドで、相手の話をよく聴くことが大事だ」と、頭ではわかっています。けれど実際には、一方的に決めつけたり、レッテルを貼ったり、勝手に解釈するということが頻繁に起こっています。オープンマインドであり続けることは非常に難しいのです。
オープンマインドとは、どんな時も謙虚さを持って、「自分が見ていること、知っていることは全体のほんの一部に過ぎない」という信念を態度に表すことを意味します。