すでに起こった未来
ダイヤモンド社刊
2300円(税別)

 「マネジメントとは文化であり、価値観と信条の体系である。それは、それぞれの社会が、自らの価値観と信条を活かすための手段である」(『すでに起こった未来』)

 マネジメントは、急速に世界的なものとなりつつある近代文明と、多様な伝統、価値観、信条、遺産からなるそれぞれの文化とのかけ橋である。マネジメントこそ、文化の多様性を人類共通の目的に奉仕させるものだとドラッカーは言う。

 マネジメントは共通の目的のために個人、コミュニティ、社会の価値観、意欲、伝統を活かすものである。マネジメントが伝統を機能させない限り、社会と経済の発展は起こりえない。

 マネジメントが経済的・社会的な発展をもたらす。発展はマネジメントの結果である。途上国など存在しないと断言してよい。存在するのは、いまだマネジメントの存在しない国だけである。

 経済発展についてのあらゆる経験がこれを裏づける。経済的な生産要素、特に資金しか供与されなかった途上国では、経済発展は起こらなかった。

 先進国では、重要な課題はすべて組織され、かつマネジメントされた機関において遂行されている。企業はそれらの最初のものであるにすぎない。

 「われわれは、これまで企業のマネジメントについて行なってきたことを、政府をはじめ他のあらゆる組織について行なわなければならない」(『すでに起こった未来』)