「停止条件」と「解除条約」
条件には、停止条件と解除条件の2つの種類があります。例をあげて説明しましょう。
「結婚したら、この車をあげます」という場合の条件が停止条件です。「この車をあげる」の効果が結婚まで停止されているので、この名前があります。一方、「住宅ローン融資がおりなかったら、住宅売買契約の効力が失われます」という場合が、解除条件です。法律行為が失効する条件のことです。
「善管注意義務」と「自己のためにするのと同一の注意義務」
「善良なる管理者の注意義務」を略して「善管注意義務」といいます。まず、注意義務の意味から解説しましょう。注意義務とは、注意を払うべき義務をいいます。たとえば、物を預かっているならそれをなくさないようにするとか、その物の価値が下がらないようにするといったことが注意義務に属します。
善管注意義務とは、普通の注意義務を超えた、その社会的な地位や身分に応じて必要とされる注意義務のことです。簡単にいえば、その道のプロとしての注意義務ということになります。
たとえば、アパートの部屋を借りている者は、借り主として細心の注意を払うことが求められます。人の物を借りているのですから、畳にタバコの焼け焦げをつけたり、部屋中タバコのヤニだらけにしているようでは善管注意義務を果たしたことにはなりません。善管注意義務に違反して生じた損害の賠償を負う必要が生じます。
善管注意義務より軽い注意義務に「自己のためにするのと同一の注意義務」というものがあります。こちらは、プロとしての注意義務ではなく、まさに自分が普段払っている注意と同じ程度の注意を指します。同じお金の管理でも、自分のお金ならタンスの上に置いていいかもしれません。しかし、町内会から預かっているお金がタンスの上に置かれているようでは、善管注意義務を果たしていないといえます。
しかし、実際には、どこまでが自己のためにするのと同一の注意義務であり、どこまでが善管注意義務として求められる範囲なのかは難しい問題でもあります。