「瑕疵」や「欠缺」「根抵当」といった法律用語を、交渉や商談といったビジネスの場などで使えれば「こいつはデキる?」と周りの見る目も変わるはず。今回は民法や行政法など、法律で使われる読めそうで読めない漢字を紹介する。これだけ読めれば、もう読み間違いで恥ずかしい思いをすることはないはず。早速、どれだけ読めるかチェックしてみよう。

法律で使える漢字は決められている

 法律には難しい漢字がたくさん使われているイメージがあると思いますが、実は法律で使われる漢字については、内閣の法律案作成を取り仕切る内閣法制局が定めた基準があります。「法令における漢字使用等について」(平成22年11月30日決定)がそれです。

 この決定は、法律、政令、条約を対象としていますが、府令、省令や条例もこの基準にならっています。この決定では、法律に使える漢字の種類は、常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)に基づく漢字とされています。その他の具体的な決定の内容についてはここでは触れませんが、ご興味のあるかたは調べてみてはいかがでしょうか。

ひらがなを漢字に直すだけでも立派な「法律改正」です

 さて、条文を読んでいると、同じ法律のなかでバラバラなものがあることに気づきます。でも、それはしかたのないことなのです。

 実は、単にひらがなを漢字に直すだけでも、立派な法律改正です。国会を通さなければなりません。そのため、漢字の使い方の改正は、その部分(普通は、その「項」)に、たまたま内容の改正があるときに限り行われてきました。つまり、いつまでも内容の改正がない部分の漢字は、古いままで残ることとなるのです。

法律に使われているこの漢字、読めますか?

 法律を勉強し始めた頃、漢字が読めなくて困ったものです。なんとなく恥ずかしくて、先生にも友達にも聞けないし……。実際に大学のゼミで教授に漢字を読み間違えを指摘されて恥ずかしい思いをしたことがあります。

 今回は、法律で使われる漢字の「読みがな練習帳」です。とりあえず、読めれば大丈夫。これらの漢字が全部書けなくても大丈夫です。私だって読むのが精一杯の漢字があります。でも、こんな漢字をさらっと読むことができれば、周りの見る目も変わってくること間違いなしでしょう。

 まずは憲法から見ていきましょう。