大抵の職場には生え抜き組(=プロパー組)と中途採用で入社した転職組が混在しています。プロ野球ならドラフトで入団したチーム一筋の選手とトレード・FA経験選手といった組み合わせでしょうか?
このプロパー組と転職組が一緒に仕事をするとき、例えば上司と部下の関係、あるいは同じプロジェクトメンバーになったときに様々な摩擦が起きることがあります。今回は、その原因と解決策について考えてみましょう。
職場構成のバランスが変わると摩擦が生じる
日本の転職人口は総務省の統計(労働力調査)によると330万人/年、また大卒学生民間企業就職希望数はリクルート調べで44万人/年といわれています。ですから、毎年約375万人の社員が新しい職場に飛び込んでいる計算になります。(対象は大卒者)
ちなみに一般的に企業サイドから見た人材採用の目的は
≪プロパー組(新卒)=ポテンシャル重視≫
≪転職組(中途)=即戦力・経験重視≫
と色分けされています。
ですが、大企業は長期的視点でプロパー組が中核になるような組織構成を、中小・ベンチャー企業は短期的な業績向上のために転職組が職場のカラーを彩ることが大半です。
プロパー組と転職組のバランスが適切であれば、うまく融和して職場の人間関係も問題が生じないものです。ところが、このバランスが崩れると職場で摩擦が生じます。その摩擦の原因は何でしょうか。
実は、私もプロパー組と転職組による職場の摩擦を体感していました。前職(大企業、新卒中心の組織)で営業部長をしていたときの話です。業績が急激に伸びて人手不足になり、人事部に増員を要請しました。
ところが、どの部門も人手不足の上に
「ご要望の金融業界を担当経験した社員の増員は無理です」
と回答が返ってきました。
金融業界で爆発的に仕事が増えた時期で、多少でも経験のある人材がいれば・・・と願ったのですがこのような返答でした。
ただ、人手不足に手を打たねばなりませんので中途採用で20名を採用する判断をしました。そして募集を開始して2ヶ月目あたりから転職組が職場に配属され始め、最初の問題が発生しました。