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会議改革はなぜ進まないのか?
――効率化追求を越えて会議そのもの意義を再考する

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第29回】 2014年11月7日
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これまでの取り組みは
十分といえない

 これまでも、会議のあり方を改善しようとする取り組みは多くの企業で進められてきた。ただし、それらは以下にあげるように、会議を効率的に実施しよう、あるいはそのものの有効性を高めようとするものであった。

◆会議の効率化への取り組み
・会議時間を60分までとするなど時間制限を設ける。
・会議室を使わず、フリースペースなどで立ったまま会議を行う。
・「発言は1回3分まで」など進行上のルールを明確にする。
・資料配布を行わず、タブレット端末などを活用する。
・TV会議やWeb会議を活用し、集合会議を減らす。
・会議に招集する人数を絞る。

◆会議の有効性を高める取り組み
・事前に必ずアジェンダを通知する。
・討議資料を以前に配布し、読んでから参加するようにする。
・議事録を必ず作成する。
・議論の活性化のために、ファシリテーション技法を取り入れる。
・議論の視覚化のために、付箋紙やホワイトボードを活用する。
・結論と次のアクションを明確にして会議を締めくくる。

 こうした改善の取り組みは決して無駄なものではない。しかし、これらは、会議を行うことを是とした上で、どうせ会議をやるなら効率的に、有益に行おうとするものであり、会議そのもののあり方を改革するものとはいえない。

会議の抜本的な見直しが
求められる

 意思決定や合意形成のスピードと質を高めつつ、業務全体における会議の時間を軽減し、より付加価値の高い仕事へと時間を振り向けるためには、会議そのものの意義やあり方を再考する必要がある。

 会議は、組織におけるコミュニケーションの方法の1つであるが、その目的や目指すゴールはさまざまであり、すべての場合において会議が最良の方法であるとは限らない。会議を行わずに議論や意思決定を実現するという選択肢も存在するということを念頭に置いて、コミュニケーションのあり方を再考してみることが有効である。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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