ベンチャー、途上国企業、そして日本企業……
拡大しつづける「ビジネスとのコラボレーション」
中村 「ビジネス」と一言でいっても、多くの国で活動を行うメガ多国籍企業のみを念頭に置いているわけではありません。実は途上国の地元の中小企業や、ベンチャー企業の役割もさらに期待されています。まさにコペルニクが一緒に活動をしている、途上国向けのテクノロジー開発と普及の担い手たちなんです。
実際、3日間にわたる委員会の話し合いでも、年金基金などを巻き込んだ途上国に対する投資の増加から、リスクの軽減策、途上国の起業家育成、企業のレポーティングの枠組みまで、多岐にわたる可能性が議論されました。
――「ビジネス」が果たすべき役割が拡大しているという国際的な流れの中で、コペルニクはどういう取り組みを行っているのでしょうか?
中村 お話した通り、2014年は今後の15年を指し示す「持続的な開発」に関する国際的な枠組みが出来上がってきました。その流れに乗って、コペルニクが従来から行っているベンチャーや途上国の起業家、さらには先進国の大きな企業を含めた「ビジネスとのパートナーシップ」も、どんどん加速しています。
たとえば、モンゴルの起業家との取り組みが挙げられます。2ヵ月ほど前に、モンゴルの起業家が、水に関する新たな技術をテストしたいとコンタクトをくれたのですが、すでに今週からコペルニクと共同で市場調査を行っています。
また、ヨーロッパに本社を置く多国籍企業が、保健衛生の分野で新たな製品を開発中で、コペルニクの流通ネットワークを通じて製品普及モデルをテストしています。さらに、多くの日本企業とも協働を始めています。コペルニクでは、今後も引き続き、ビジネスとのコラボレーションを続けていきたいと考えています。