
中村俊裕
今年のノーベル経済学賞が、途上国支援とビジネスの双方にもたらす革命的な影響とは
2019年度のノーベル経済学賞は、「貧困削減に実証実験を用いたアプローチを行ったこと」に対して贈られた。その業績の詳細、そしてビジネスにおける可能性を、実際に途上国で貧困削減の活動を10年以上続けているコペルニク中村俊裕氏が解説する。

特別編
「ビジネス」を掛け算できるかどうかが、これからの15年を左右する
グローバル展開を目論む企業は多いが、そのうちのどれだけが進出先のニーズを把握できているのか? 途上国の真のニーズを知ることで注目を集めるNPOコペルニクを創業、インドネシアを拠点に20ヵ国以上でプロジェクトを行う中村俊裕氏が語る「これからの15年」を切り拓くビジネスのヒントとは?

第3回
なぜ日本企業は途上国でイノベーションを起こせないのか?
なぜ世界で通用するイノベーションを起こせないのか――。国連やパナソニックなど世界中から支持されているNPOコペルニク創業者の中村俊裕氏が語る、途上国の貧困層という巨大市場に刺さる「真のイノベーション」の起こし方とは? そして、多様化が進む世界で日本企業が進むべき道とは?

第2回
なぜ日本企業は途上国のブルー・オーシャンに気づけないのか?
途上国で事業を展開したいけど、どう情報を集めればいいのか――。国連やパナソニックなど世界中から支持されている組織コペルニク創業者の中村俊裕氏が語る、途上国の貧困層という巨大市場が抱える「6つのニーズ」とは? そして、そこにあるブルー・オーシャンに企業が気づくために必要なこととは?

第1回
なぜ日本企業は「ハイスペック」なのに失敗するのか?
グローバル展開を目論む企業は多いが、そのうちのどれだけが進出先のニーズを把握できているだろうか? マッキンゼー、国連を経てコペルニクを起業し、今や国連やパナソニックなど世界中から引く手あまたの中村俊裕氏が語る、途上国市場のリアルなニーズと、日本企業に残された「第3の選択肢」とは?

最終回
「ラストマイルでの貧困削減を加速させる」というコペルニクのミッションは変わらないが、最終回である今回は、「コペルニクがめざす次なる道」と題して、今後2~3年以内にわれわれがどのような新展開を考えているかを紹介したい。

第9回
今年に入ってから多くの日本企業が途上国進出に本腰を入れてきたように感じる。しかし、現地での市場調査に乗り出してみると、その過程で様々な課題に直面。特に、都市部とは全く勝手が違う農村部での調査は、非常にハードルが高いようだ。

第8回
近年、日本では「グローバル人材」と声高に叫ばれているようだが、その本質はあまり定義されていない。これまで閉ざされた環境のなかにいた日本人は、多様なものを受け入れる力をもっと持つべきだと僕は思う。

第7回
コペルニクが普段届けているのは、途上国の貧困層のためのシンプルなテクノロジー。実は、これらが先進国の日本でも役立った。それは、昨年の東日本大震災直後の東北でのこと。その時の様子を紹介したい。

第6回
途上国ではいま、NPOが企業や大学、政府、財団といった様々な立場の人たちとのコラボレーションが進み始めている。ただし、こうした連携を可能にするためには、NPOが民間企業以上に健全なカバナンス体制を築いていかなければならない。

第5回
「真のイノベーション」を生み出し、われわれの未来を変えていく担い手はいったい誰なのかについて考えてみたい。それは企業なのか、政府なのか、NPOなのか、それともその他の機関なのか――。

第4回
ローテクでありながらも創造性の高い、シンプルなテクノロジーを途上国の貧困層に届けるとどのような「変化」がおこるのか。それは、直接的なインパクトだけではなく、その波及的効果が様々なレベルで表れる。日々の生活に大きな改善効果をもたらすのだ。

第3回
ガラパゴス化していると言われ、世界のマーケットで苦戦を強いられているメイド・イン・ジャパン製品。高い技術力を持ちながらも世界で苦戦を続ける日本のモノづくりが、どうしたら大きな可能性を秘めた途上国の市場をつかむことができるのかを考えてみたい。

第2回
近年日本でも途上国ビジネスが盛んに議論され始めているが、いまだに僕がよく聞かれる質問は「途上国ではどういうニーズがあるんですか?」というもの。そもそも、途上国に行ったことがなく、市場調査すらままならない人も多い。

第1回
先月末の3月31日付で、11年以上お世話になった国連を退職した。僕が共同創設者として米国で立ち上げたNPO法人コペルニクに本格的に専念するためだ。
