「よかった探し」で自信を持とう

矢野 前回、自分の欠点を個性に切り替えて自己肯定感を高めれば、自信が生まれてビジネスも成功しやすい、という話をしていただきました。もちろん言葉も「言語」も大事ですが、ジェスチャーや表情などの「非言語」で相手に印象を与えることも大事だと私は思います。

和田 そうですね。あまりおどおどした態度を取られると、はたしてこの人が勧める商品を買っても大丈夫なのかしら？ という気持ちになりますよね。とはいえ、多くの政治家のように、見た目が怖そうなのに堂々とされると、かえって威圧感を覚えます。でも、矢野さんは、いつも政治家の方々のスピーチをコンサルティングしているのでしょう？

矢野 はい。政治家の方の場合、見た目・体格は変えていただくことがあります。若干貧相に見える方の場合は、貫禄を出すために太ってもらうことがありますし、逆に見た目が威張った雰囲気になってしまう方の場合は、なるべく控えめな姿勢を取ってもらったりもします。もう一つのポイントは声ですね。甲高い声色の人は説得力が感じられなくなるので、低い深みのある声にします。

和田 なるほど！ セールスの世界も同じです。声があまりにも高いと、説得力が欠けるので結果に影響してしまいます。

矢野 特に、体格から受けるイメージと声質のギャップって、致命傷になる恐れがあります。「堂々とした体格なのに、どうしてこんなに声が高いんだ」なんて思われると、挽回するのが大変なのです。体格から受けるイメージと声質にギャップがあるときは、それを別な側面で埋める努力をしなければなりません。前回、タレントの山瀬まみさんの例を挙げましたが、まさにそういうことです。

和田 欠点は個性なんですよね。使い方を変えればその人の魅力でもあるんですよね。