「ゆとり世代」に自信を持ってもらう法

矢野 若いゆとり世代の人たちを見ていると、少し自信がなさそうに見えることがあるのですが、和田さんだったら、彼らに対して、どうやって自信を持たせますか。

和田 コンサルティングをしていても、たしかに野心や向上心が低い方が多いです。でも、それは、恵まれた世代に生まれたから仕方ないと思うんですね。人は恵まれすぎると、どうしても弱くなります。競争を勝ち抜いて、のし上がろうという気持ちが薄らいでしまうのです。ですから、そういう世代と接する上の世代の人たちは、ゆとり世代の特徴をしっかり理解する。そのうえで、彼らが持っているポテンシャルに気づくことです。なにしろ「出る杭は打たれる」ことを強く意識している世代ですから、自分の能力をアピールしたがりません。無難に生きていい子でいようという意識が強いので、失敗を極端に恐がり、挑戦することにも尻込みをしてしまう。自分が同じ時代に生きていたらどうだったのか? 相手の立場になって考えると、理解が深まってきます。そのうえで、彼らの「いいところ」に気づいてあげること、それをほめることが彼らの自信につながっていきます。どんな人でも必ず「いいところ」があるのですから。私が提唱する、陽転思考は脳にこびりついた思考グセを変えていく方法ですが、陽転思考の「よかった探し」という簡単な方法を用いて、自分のいいところを探しどんどんリストに一度書き出してもらいます。自分が持っている「よかった」に目を向けるようになれば、確実に自信がついてきますから、行動も変わってくるのです。

「和田式」信頼を勝ち取る秘訣

矢野 和田さんにとって、人からの信頼を勝ち取る秘訣というのは、何でしょう。

和田 う~ん、いろいろなことが言えそうですが、やっぱり約束を守ることですかね。自分がコミットしたことに対する約束、部下との約束など、すべてにおいて約束を守ることが、その人の信頼につながりますよね。そして、とても大事なことは「私を信じて欲しい」「信頼して欲しい」と言う前に、自分自身をどれだけ信頼できるのかということをしっかり押さえておかないといけません。自分のことを信じてなければ、根っこには「信頼に値しない私」という概念がありますから。
矢野 でも、自分を信頼できないから自信が持てないという方が大勢いませんか。

和田 そうですね。自信が持てない人が多いのは、完璧主義を目指そうとするからだと思っています。けれど、すべてにおいて完璧な人なんてそもそもいないのですから、まずは自分の強みを見つけること。つまり、先ほど触れたように自分の「よかった探し」をすることが大事になってきます。