【ルール4】
社員の相談係になって
自分のポジションを確立する
二人三脚で走り続けるには、どちらかが相手に合わせなくてはなりません。
お互いに自分のやり方を主張しているとペースが乱れ、転んでしまいます。
私たち親子の場合、私が一歩身を引くことで、うまくいっていた気がします。
父は代表取締役会長として私や社員をコントロールし、私は一歩引いた取締役社長として社員を父から守ってきました。
だから、社員には常に「なんでも私に言ってほしい」と言いました。
私に伝えていれば、父に何か言われても、「それは社長に報告し、社長が決裁しました」と言えます。
そうしたら、父に怒られるのは社員でなく私です。
こうすることで、社長としての自分の立場も確立しました。
【ルール5】
会長の仕事を見て盗み、
社員には懇切丁寧に指導する
現場巡回は、社長である私の仕事でした。巡回のポイントは父に教わりました。ただ、「ここを、こうチェックしろ」などと教えてもらったことはありません。
職人の仕事の教え方は「見て盗め」です。父が現場に行くときに同行し、父が現場で怒鳴り散らしながら指導するのを見て、巡回のポイントを学びました。父が怒っているところがチェックポイントであり、それを怒られなくていいようにするのが私の仕事です。
その後、しばらく私一人で巡回する期間がありましたが、社員が育ってきたのを機に、係長以上の幹部社員に巡回の仕方を教え、交代で巡回させることにしました。最初は7~8人の幹部社員を毎日連れて巡回し、
「こういうところを見るんだよ。こういうところがダメなんだよ」
とチェックポイントを教えていきました。