「しらうお」は「しらす」ではありません!
必殺“釜揚げしらうお”大作戦を決行

 しかし、「しらうお」「しろうお」の間違いは、まだいいほうだ。

「しらすと間違える人がいるからね。しらうおはイワシじゃありません」と鶴ヶ崎さん。

「それともう、慣れましたけど、多いのがこんな質問ですね」

「ところで、しらうおは大きくなったらなんになるの?」

「サケにもマグロにもなりませんよ。しらうおは、しらうおですから」

 しらうおには幼形成熟という特徴があり、その姿は成魚になっても変わらない。しらうおは、なにかと説明が必要な魚なのだ。

 とにかく、セレブ相手でなく「一般ピープル」に、しらうおファンを作らなければ道はない。しらうおのメジャー化が大きな課題だったのだ。

 そこで組合では、消費量低下、魚価低迷の突破口として加工品が作れないかと考えた。「漁業の6次化」である。同組合会計主任の細井崇さんは「消費者が取扱いやすい商品に加工して販売することで、しらうおの知名度を上げ、ひいては小川原湖の魚が選ばれるようになればと考えたのです」と語る。

 全国的にはあまりメジャーではないしらうおも、地元では大変愛される魚だ。「みんな大好きですし、よく食べます。このあたりでは、ごく普通の魚です」(細井さん)

 定番の食べ方は刺身。うずらの卵を添えて、しょうゆをかけて食べることが多い。そしてかき揚げや、つくだ煮。

 また、しらうおを干して、煮干しのようにして、つまみとして食べるのもポピュラーだ。鮮度落ちの早いしらうおを、多くの人に手軽に食べてもらうためにどうしたらいいのだろうか、と試行錯誤するなかで、この煮干しを作るときに、軽くゆでたものが美味しかったことから、しらうおの釜揚げを思いついた。そして昨年、水揚げ直後のしらうおを釜揚げにした新商品「釜揚げ白魚」が完成した。

「釜揚げ白魚」は、ふっくらした食感、やさしい甘みがある豊かな風味で、調味料をつけなくてもとても美味しい。食べてみれば、絶対にしらすとは間違えないはずだ。

“美人薄命”な鮮度落ちを解決
急速冷凍でしらうおにも春が!

漁獲量日本一なのに誰も知らない <br />青森の秘境・小川原湖の「しらうお」に春が来た!しらうお漁の風景。チームの息がそろっていないと網の引き揚げは大変。女性も漁に参加していることが多い

 釜揚げしたしらうおも、もちろんとても美味しいのだが、漁師たちが最も美味しいと言うのは刺身。獲れたてを丼にいれて、しょうゆをかけてワシワシ食べるのが「いちばん旨い」という豪快な人もいるほどだ。

 組合では現在23隻の船が、しらうお漁を行っている。漁期は資源管理のため、9月1日から3月15日までと、4月21日~6月20日まで。産卵期の漁は禁止され、操業日は平日4日、漁獲量は船ごとに1日40キロと決められている。