おそらく、向こう1~2年は米国経済がしっかり世界経済を引っ張っていく絵が描けるが、気になるのはむしろその後だ。2015年の米国経済が堅調な展開を示すことは世界にとって好ましいことなのだが、一方で米国の金融政策を変更する必然性が高まる。

 経済が持ち直した後まで金融緩和策を継続すると、金融市場でバブルが発生したり、経済全体にモラトリアムの雰囲気を醸成することも考えられる。それを防ぐために米国のFRBは、来年どこかで政策金利の引き上げに動くことになるだろう。

 そうした政策変更がスムーズに実施されても、基軸通貨であるドルの需給の変化は微妙に世界の経済や金融市場の動向に影響を与える。金融市場には、従来から“10年周期説”との見方がある。

気になる金融市場の「10年周期説」
海外投資家も危ぶむそのリスク

 “10年周期説”とは、1987年以降、10年ごとに米国の金融政策がきっかけになって、世界的に株価が急落するなどの異変が起きていることだ。1987年にはブラックマンデーがあり、1997年にはアジア通貨危機が発生した。そして、2007年にはサブプライム問題が顕在化した。

 それらはいずれも、FRBの金融政策が緩和から引き締めに転じ、世界的にマネーフローが変化したことが原因の1つとなって、発生した事例と考えられる。

 2015年、FRBはそうした事例を十分に研究しており、政策金利の引き上げには慎重を期し、拙速に実行することはないだろう。しかし、今までに供給した過剰流動性を吸い上げれば、基軸通貨であるドルの流れに変化が出ることは避けられない。
 新興国の金融市場に回っていた資金が、少しずつ米国に回帰することなどが考えられる。

 また、米国の投資資金がFRBに吸い上げられる可能性もある。そうしたマネーフローの変化は、株式や為替市場のトレンドを変えることも想定される。

 海外投資家連中とメールのやり取りをすると、彼らが「ここ1~2年は大丈夫だろうが、その後はマーケットが大きく振れる」と見ていることがよくわかる。我々も、そうしたリスクを十分頭に入れておくべきだ。