一度は怒鳴りつけて追い出そうとした営業マンがそのように言うのですから、お客様は面食らったと思います。

 でもその意気込みが伝わり、チャンスをいただけることになりました。そしてその結果、契約につながったのです。

 それから私は「自分の担当エリアのクレームは全部なくしてやる!」くらいの意気込みで、「出入り禁止」企業に対してあえて積極的に営業し、成果に結びつけていました。一時は「クレーム返しの嶋津」と異名を取るほどでしたね(笑)。

 この「出入り禁止」営業のいいところは、マイナスからスタートすることです。相手の期待値が大幅なマイナスなので、少しでもまともな対応をすればプラスに見てもらえて、それが好印象につながるということです。

 最初の訪問で怒鳴られたり嫌みを言われたりするのはいい気分ではありませんが、

「そもそも自分がやったことじゃない」と開き直ってしまえば、冷静に相手の話を聞いていられます。

 もちろん、まったく相手にされず追い返されることも多いのですが、そもそもがダメ元なので、「しょうがないか」と簡単にあきらめがつきます。

 そして、もし結果を出せたら、社内から「えっ、あの企業から受注したの? 嶋津君すごいね!」と、いつもよりも高い評価を得られます。

 自分のなかでは、誰もがイヤだと思って避けていた問題を自分の力で解決して、しかも契約まで取ったということで、大きな達成感・満足感も得られます。

 皆さんもぜひダメ元で、実践してみてください。