ベストミックスの追求は
数値ありきであってはならない

 2030年の日本におけるエネルギーの主役は、再生可能エネルギーか?天然ガスか?石炭か?原子力か?

 1月30日、経済産業省・総合資源エネルギー調査会の下に設置された長期エネルギー需給見通し小委員会で、2030年でのベストミックス(最適電源構成)の姿を模索する検討がようやく始まった。マスコミ紙上では案の定、原子力と再生可能エネルギーの比率に関して様々な数値が飛びかっている。これまでの報道を見る限り、原子力は15~25%、再エネは20~30%といった具合だろうか。

 しかし、ベストミックスの追求は、「原子力○○%、再エネ○○%」といった数値ありきではいけない。安全性(Safety)を前提として、安定供給(Energy Security)、経済効率性の向上(Economic Efficiency)、環境への適合(Environment)を図る『3E+S』を基本的視点とした結果としての数値目標でなければならない。

 これは、上述のバーバラ氏の言では、(1)Security(安定供給性)、(2)Independence(独立性)、(3)Climate Change(環境特性)に集約されるのだろう。

 今、この数値目標が策定されていないのは、震災による福島事故が起こって以降、原子力も含めたエネルギー政策全体が大きな隘路に陥ってしまったことによる。ここから脱するのは、もうじき震災から4年が経過しようとしている現在もまだ、そう容易なことではないであろう。

 冒頭で述べたように、日本人は日本のことを自分たちだけで決めることができないのかもしれない。福島事故以降のエネルギー政策の動向はそれを如実に物語っている。そうであれば、見識の高い外国人による評価を素直に受け入れることで難局を打開する方がむしろ合理的だ。日本人どうしでああだこうだと議論して埒が明かないとなれば、それしか方法はない。その点でも、バーバラ氏の助言はとても大きなものである。

経済産業省が既に発表しているように、東電・柏崎刈羽原子力発電所にIAEA(国際原子力機関)の調査が入ることが決まった。IAEA運転安全評価チームが、今年6月下旬から7月中旬まで、柏崎刈羽6・7号機の安全性について評価や助言を行うとのこと。どのような結果になろうとも、日本の原子力安全にとって大きな示唆を与えてくれることを期待するとともに、我々日本人や日本政府は、それを謙虚に受け止める心の準備をしておく必要がある。