表面的な言葉ではなく、
「言葉の裏側にある本心」に迫る!

2つ目は「仮説が立てられない」ことです。
「なぜだろう?」と疑問に思うことはあっても、「きっと、こういうことだろう」「こういう可能性があるな」という仮説が立てられないため、話を絞り込むことができません。

 経験が浅ければ、会話をしながら、「お客さまが気づいていない問題の仮説」を立てるのは難しいかもしれません。ですから事前に「仮説を用意しておく」ことが大切です。訪問先の情報を集め、「こういうことではないか」と用意しておけば、質問に困ることもありません。

3つ目は「質問ができない」ことです。
 仮説は検証しなければ意味がありません。「商談の中でこの仮説を確認しよう」「質問するときは、このように聞いてみよう」と事前に考えておきましょう。

 ニーズが低く、自社との関係性も弱いお客さまが、営業マンに胸襟を開いてくれることはまずありません。アプローチの初期の段階では、「どういう資料を使って、何を話すか」はもとより、「何を聞くのか」の準備をすることが必要です。

 言葉の裏側を見ようとせず、「安いものでいい」といった表面的な言葉を拠り所にする営業マンは、「安くさえすれば契約してくれる」と短絡的に考えます。そして、付加価値を与えようとはせずに、「価格」だけの提案をします。

 一方で、お客さまの潜在ニーズに目を向けた結果、「安さも大切だが、それ以上に、信頼できる取引先を探している」ことを把握した営業マンは、値引きに頼らなくても、トータルの優位性を提案することができるでしょう。この場合、お客さまが本当に大切にしたい価値観は、取引先との信頼関係であり、価格は二の次だからです。

 競合他社よりも安い見積もりを出しているのに負けてしまうとしたら、それは「言葉の裏側にある本心」をすくい取れなかったからなのです。