重電系・通信系は方向性が見えた
問題は弱電系メーカーの生き残る道

 わが国には大きく分けて、(1)日立、東芝、三菱電機の重電系メーカー、(2)富士通、NECの通信系メーカー、(3)パナソニック、ソニー、シャープの弱電系メーカーの8社がある。この3グループにはそれぞれ異なる生き残りの道がある。

 (1)のグループについては、アジア諸国などの新興国を中心に社会インフラの需要を取り込むビジネスモデルがかなり明確になっている。それぞれが、既に鉄道や発電所、ファクトリーオートメーションなどの分野で実績を上げている。

 (2)グループも、一般消費者向けのPCや通信機器などに加えて、事業用・公的な通信施設やそれに関連する機器の需要を取り込んでおり、相応の利益水準を維持できるまでになっている。今後は、(1)グループ同様、新興国中心の通信インフラ等の需要を掴むことができれば、充分に生き残る道を見つけることができるはずだ。

 問題は(3)グループ各社だ。現在、リストラの進捗状況や業務範囲などの条件によって、経営状況はそれぞれ異なっている。液晶などに業務を集中したシャープは、競争激化などによって大きな痛手を受け経営悪化に悩んでいる。

 ソニーは、イメージセンサー=CMOSなどの分野で圧倒的な優位性を持つ一方、PCやテレビ事業などで抜本的なリストラが遅れ、経営の立て直しはまだ途上といえるだろう。一方、パナソニックはプロダクトポートフォリオが相対的に広かったことに加えて、思い切ったリストラを断行したこともあり、既に1兆円の資金を使って“攻め”に転じる局面に至っている。

 そうした違いはあるものの、弱電系メーカーも、最終的にはグローバル市場で相応のシェアを獲得する戦略が必要だ。そのためには、特定の分野で業務提携などの手法で一定の事業規模を持つことが必要になるだろう。

 重要なポイントは、企業経営者が、当該企業の強さ・弱さなどを基礎にして明確なビジネスモデルをつくり上げることだ。その場合、しっかりしたリスク管理の意識が必要であることは言うまでもない。

 そうして条件を積み重ねて考えると、恐らく、生きる道としては、グローバル市場の中の特定の分野について、それぞれ国や地域など特定のマーケットが要求するプロダクトを迅速に提供するメーカーに変身することが必要になるだろう。

 インドネシアであればインドネシア、フィリピンであればフィリピンの人達が欲しがる製品を作って供給する、いわゆるグローバルニッチの積み重ねの戦略を実行できる企業になることが求められる。