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「仲間意識」「優越感」「接触回数」
妻が不倫に走る三大要因を読み解く
では、同僚同士が不倫関係に発展しやすい理由は何でしょうか。それには、「仲間意識」「差別化による優越感」「接触回数の多さ」の3つが考えられます。順番に見ていきましょう。
「不倫は愚痴から始まる」
このフレーズを覚えておけば、もう職場不倫については8割方わかったようなものです。職場不倫において「愚痴」は、それほど頻出のキーワードなのです。これはどういうことでしょうか。
もちろん、愚痴から即不倫に発展するわけではなく、あくまで最初の接点です。「同じ目に遭っている」という仲間意識が「愚痴をこぼしやすい雰囲気」をつくり上げます。理想と現実のギャップに悩まされ、過酷な仕事内容のせいで疲労困憊……それは上司、部下、同僚、後輩、みんな同じだから、彼、彼女らの間には妙な連帯感、一体感が芽生えます。それは智子さんと松本氏が働いている職場も例外ではなく、その環境が酷ければ酷いほどその絆はより一層強固になり、どんどん「不倫しやすい環境」に近づいていきます。
では、誰に仕事の愚痴を聞いてもらいたいでしょうか。社外の人間(配偶者や友人、親戚など)はしょせん部外者なので、カラ返事がいいところです。理想の聞き役は、職場の人間です。理由は3つ。1つは仲間意識があるから、弱みをさらけ出しても大丈夫だから。もう1つは仕事の中身を知っており「話がわかる人」だから、「心に染みる合槌」を期待できるから。そして3つ目は目の前にいるから、です。このように見ていくと、上司である松本氏が部下の智子さんに愚痴をこぼすのは当然のことです。
次に「差別化による優越感」です。前述の通り、上司からすれば部下に声をかけるのは日常茶飯事ですが、逆に部下の目線からそれはどう映るでしょうか。職場不倫の典型的なパターンは、男性上司(既婚、年上)と女性部下(未婚、年下)です。松本氏と智子さんもこのパターンですが、上司と部下が不倫に発展する背景には「上下関係」と「ピラミッド型」があります。
上司と部下の間には当然上下関係があり、部下にとって上司は「目上の存在」です。また、どんな組織でもピラミッド型になっており、「少数の上司と多数の部下」で構成されています。香織さん以外にも部下の女性はいるわけだから、松本氏が他の部下に愚痴をこぼしてもおかしくはありませんでした。智子さんもそのことは承知しています。