フリーエージェント・スタイルを採り入れている、日本一面白い不動産サイト「東京R不動産」。実際にフリーエージェントを導入する組織は、いかにしてメンバーのモチベーションを高め、求心力を持ち続けているのか?著書『だから、僕らはこの働き方を選んだ』から一部を抜粋して紹介。
※この記事(2011年12月14日公開)は、東京R不動産がテレビ東京系列「カンブリア宮殿」に出演したことを記念して、再配信しています。

左から馬場正尊氏、林厚見氏、吉里裕也氏

ビジネスリーダーたちからも多数推薦!

「これからの組織の本質が、ここにはある。個人が活き活きと自律的に働くこと。事業はそれに尽きる。自由でフェアなチームは、清々しく、美しい。」
――江副浩正 氏(株式会社リクルート創業者/特例財団法人江副育英会理事長)
「これぞ、ノマド的に生きるための理想の働き方!20代にこそ読んでほしい本。」
――本田直之 氏(レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長)
「好きなことを、好きな仲間と、自由にやって、それでちゃんと食べていける。こういう人たちこそ、真の勝ち組なんだ。あぁ、ウラヤマシイ!」
――小山薫堂 氏(放送作家/脚本家)
「私もユ ニークな組織作りに興味があるので勉強になりました。」
――柳澤大輔 氏(面白法人カヤック代表)
「我慢という美徳を、喜びという価値に置きかえた一大事。」
――遠山正道 氏 株式会社スマイルズ(Soup Stock Tokyo)代表取締役社長
「自分たちの船をつくって、海を渡りたくなる本 。」
――西村佳哲 氏 リビングワールド代表/働き方研究家
「やるべきことを楽しくできる、が何よりの幸せ。この働き方は一つの理想形だと思う。」
――小暮真久 氏 TABLE FOR TWO 代表理事/『「20円」で世界をつなぐ仕事』著者

目指すはトータルフットボール

 フリーエージェントについては、これまで野球のFA制度を使って説明したが、なかなかわかりづらい仕組みだと思うので、繰り返し解説してみよう。僕らのチームは、2010年サッカーのW杯で劇的な優勝を果たした、スペイン代表のトータルフットボールを理想としている。全員で攻め、全員で守るというスタイルだ。

 最近のサッカーの戦術はどんどん進化しているけど、僕らが好きなのは、個々のプレーヤーが自由で型にはまっていない感じ。スペースを自らつくり、自ら入り込む。その場の判断が重要で、あたかもチーム自体が一つの生き物のように流動的にかたちをかえる。メンバーの中に「皇帝」がいて、常に周りに頻繁に指示していたり、グラウンドの外から監督がうるさく威張り散らしているような組織は嫌なのだ。

 そのためには、個々のプレーヤーにひたすら走り続ける豊富な運動量、卓越した技術、全体を俯瞰できる広い視野が必要となる。しかし、このトータルフットボールを理想どおり体現できたチームはほとんどいない。自由に動き回りながら試合に勝つということは、とても難しいということだろう。だからこそ、そんなチームが現れたときは、人々を魅了してやまない。

 加えて、僕らが大切にしているのは、プレーしている本人が楽しそうだということだ。そして、僕らの楽しさが観客にも伝わって、その場にいるサポーター全員が楽しくなるようなプレーをしたい。勝利は重要だけど僕らはサッカーをしているわけではない。観客との一体感を何より重視するような、そんな組織を通じて、楽しさをみんなで共有しながらその状態を武器にして、結果的に勝つチームでありたい。