次に、9月にシルバーウィークの連休効果が期待できる。休みを取るための日並びがよければ、行楽等のサービス消費が増えやすい。また、消費の源泉となる実質所得もいったん回復すると見込まれる。ベースアップによる基本給上昇は夏場まで続きやすいほか、電気代・ガス代・ガソリン代が軒並み値下がりするためだ。以上のように、7〜9月期の消費は一時的ながら押し上げ要因が多く、反発すると見込まれる。

 一方で、輸出についてはまだ減少が続きそうだ。中国経済減速の影響が遅行して表れよう。また、9月の連休効果は消費にはプラス効果をもたらそうが、連休で工場の休みが長引くので生産・輸出にはマイナス効果をもたらそう。7〜9月は消費反発と輸出減少の綱引きとなり、どちらかといえばプラス成長へ転じる可能性の方が高いものの、現時点で確信を持って言えるわけでもない。7〜9月期の景気は輸出次第であり、当面は貿易統計の動向を見極める必要があろう。

景気の先行きはジグザグ型へ
「成長の実力値」低下を反映

 その後も、消費が増減を繰り返す見込みで、景気は当面ジグザグ型となりやすい。15年10〜12月期は猛暑効果や連休効果剥落、実質所得減少(物価上昇)で消費が再び落ち込むだろう。16年1〜3月期になると、うるう年の効果で消費のみならずGDP全体が伸びやすい(近年GDP統計ではうるう年の調整がなされていない)。16年4〜6月期はその反動でマイナス成長の圧力が掛かろう。

 そもそも景気がジグザグ型となりやすいのは、成長の実力値を示す潜在成長率が近年落ちているためだ。ほぼ同義になるが、実質賃金の伸び悩みにより、消費の基調も弱まっている。このため、景気あるいは消費が一時的要因に左右されやすくなっていよう。財政出動や追加金融緩和といった景気刺激策を打っても、あまり意味がない状況だ。

 財政出動の代表格である公共投資は、経済が人手不足に直面している中では、タイムリーに景気を刺激できない。また金融政策については、現行の量的政策の限界が懸念されている状況では単純な追加緩和に踏み切る可能性は低いし、仮に踏み切ることができても、円安をもたらし消費にダメージとなる。政府も日銀も、動くに動けない、という状況であろう。