木の「しゃもじ」を使う効用とは?
そこで一案として、木のしゃもじ(たたき用)を使ったことがあります。
柱にかけたそのしゃもじを取りにいくことで、ひと呼吸置くことができ、たたく力の差を少なくできます。
お尻のときも、手のひらも、たたく場所や回数は前もって「お尻3発」と宣告しておきます。
あるとき、お客様の前で、どうしてもたたかなくてはなりませんでした。
アメリカ人のお客様のときは、たたいた母親の態度を肯定してくれましたが、日本ではお客様のほうが居心地を悪くして、早々と帰られてしまいました。
後で私は息子に「おまえを罰したのに、お客様のほうが気分を悪くされた。おまえはお客様にも悪いことをしたのよ」と諭し、今後はお客様の前ではたたかない代わりに、いつもの倍の罰を後で与える、と言い渡しました。
すると、その後はお客様の前でわがままを見せないようになり、私が他人によいところを見せたいために叱れないなどと、みくびらなくなりました。
「たたく」と宣言したら、必ず、しかも思い切りたたきます。私の手も痛みます。
「おまえが悪いことをしてたたくのに、ママの手も痛いなんて、しゃもじを持ってこい」と言うと、しぶしぶもってきて、痛みに耐える表情を見せ、私の心を乱すこともありました。
しかし、親も、心を鬼にしなくてはならないのです。
たたくばかりでない体罰もあります。
どんなものでも、前もって決めた約束を守らなかったときの罰なのです。