もっとも、政策金利が据え置かれたのは、市場の乱高下そのものではなく、海外経済の混乱が米国経済に波及するリスクを見極めるためとされている。先行きについても海外経済の動向を注視していくとの文言が付け加えられており、利上げ開始のためには労働市場のもう一段の改善だけでなく、金融市場の混乱が収束する必要性が条件として追加されたことになる。

 インフレ動向に関しての記述は前回会合から変更されず、エネルギー価格の下落および、輸入物価の下落が下押し要因となっているとされた。これら要因が剥落することで、目標とする2%に徐々に近づいていくという従来の見方が据え置かれており、会見でもあくまで一時的要因によって押し下げられていることが強調された。

経済見通しはやや慎重化
利上げペースの見通しは変わらず

 今回公表されたFOMC参加者による経済見通し(図表1参照)では、4~6月期の統計の改訂を反映する形で2015年の実質GDP見通しが上方修正された。2016、2017年については小幅に下方修正されており、先行きに関してはやや慎重さを増す見通しとなった。長期見通しに関しては小幅な下方修正ながら大きな変化はなく、潜在成長率に対する見方は前回会合から大きな変更はない模様である。

 一方、失業率見通しについては、各年とも前回見通しから低下(改善)し、長期見通しについてもわずかに低下した。直近の8月分の統計で失業率はすでに5.1%まで低下しており、水準訂正により見通しも含めて引き下げられたとみられる。ただし、既述のGDP成長率に加えて、2016、2017年の物価見通しについても前回からやや下方修正されていることから、自然失業率に対する見方も幾分下方修正されたと解釈できる。

◆図表1:FOMC参加者の経済見通し

米国の年内利上げを確実にする3つの条件