Q.政府は、国立大学(法人)がベンチャー企業へ直接、出資できるよう規制の緩和を検討しています。一方で、いわゆる大学発ベンチャーの企業価値の算定は難しいとも言われますが、堀江さんはどうお考えですか。

ベンチャー企業の価値算定は難しくも何ともない
将来、事業が収益化するか、それだけじゃん

A.なぜ、大学発ベンチャー企業の企業価値の算定が難しいのか、私にはその理由がわかりません。普通に研究開発型ベンチャー企業の価格算定と同様にすればいいのではないでしょうか。

 例えば、私がライブドア時代に、ミドリムシの大量培養技術を持つユーグレナという会社に、起業後の初期段階であるシード期に1,000万円の投資をし、経営陣には4,000万円を融資しました。

 というのも、ミドリムシには、豊富な栄養成分な含まれており、植物のように細胞壁をもたず消化・吸収性に優れている。さらに、アミノ酸スコアの高い、すなわち含有しているタンパク質のバランスが良い動物性蛋白質を、消化を助ける酵素であるセルラーゼを持たない人間でも、そのまま消化できるという特性をもっています。

 そのため、まずは健康食品分野で収益事業化できると確信し、投資を行いました。

 このようにベンチャー企業に対する投資も、通常の投資となんら変わるところは何もありません。その会社の持っている技術力やその事業の将来性などを総合的に判断して、投資の是非を判断すれば良いだけの話です。

 それを国立大学が独自に判断してできるかどうかはわかりませんが、ベンチャー投資そのものを、何か特別に考えてしまうことはまったくないと思います。

Q.俳優の川島なお美さんやキャスター の黒木奈々さんなど、著名人のがんによる訃報が相次ぎました。堀江さんはがんのリスクをどう捉えているのでしょうか。何か予防策を講じていますか。

がんの予防対策は実はこまめにやっています
予防、早期発見できるものは万全の備えが何よりだよ

A.がんを発症する原因はいくつかありますが、そのなかには予防できるがんもあります。ウィルス性や細菌性のがんがそれに当たります。

 肝臓がんの大半はB、C型肝炎ウィルスによるもので、感染しているかどうかは血液検査で分かります。私も検査を受けたことがあります。

 子宮頸がんはヒトパピローマウィルスによるものですが、ワクチンで予防可能です。口腔内にできるがんもこのウィルスによるものがあるそうです。

 また、胃がんの原因のほとんどはピロリ菌ですが、検査で仮に陽性となっても9割以上が除菌可能です。もし除菌できなかった場合は、こまめに内視鏡検査を受けることが必要になります。これも検査を受けたことがありますが、陰性でした。

 遺伝性のがんもあります。一般的には、がん抑制遺伝子が2つ働かなくなるとがんになる確率が高くなると言われていますが、私はいまのところは遺伝子検査でそうした指摘を受けたことはありません。

 その他、CT、MRI、エコー、さらに内視鏡検査や便潜血検査を定期的に受けることで、がんの早期発見を心がけています。