メーカーにとって知財は命
『下町ロケット』の場面に思う
10月18日にTBS系でスタートしたドラマ『下町ロケット』が今、話題になっています。
原作は直木賞を受賞した池井戸潤氏の同名小説です。同枠で2013年7月から9月に放映された大ヒットドラマ『半沢直樹』の制作チームが、昨年4月から6月に放映された『ルーズヴェルト・ゲーム』に続き、池井戸ドラマで3度目のタッグを組みました。
ロケットエンジン開発への思いを捨てきれない町工場経営者の主人公が、自分の夢の実現と会社経営という現実に挟まれる日々を送る中、大企業であるライバル会社から特許侵害で訴えられるなど、数々の困難に襲われます。
幾多の困難を乗り越えながら、小さな町工場が大企業に立ち向かい、絶対に夢をあきらめない社長のリーダーシップと、それを支える社員たちが一丸となって苦難を乗り越えていくというストーリーが幅広い層に支持されています。
「町工場が横暴な大企業と戦っていく物語で、男のロマンを感じる」
「ものづくりに情熱を持つ人なら、誰もが熱くなれる作品」
「技術者としてのプライドと熱意を決して崩さない主人公の姿勢に感動する」
ソーシャルメディアを見ても、主人公や登場人物のものづくりにかける情熱や、どんな相手から横やりが入ろうと、夢に向かってひたむきに努力し、戦う姿に共感したといった、上のような書き込みが目立ちます。
私も新卒でメーカーに入社した人間の1人として、ものづくりに情熱を注ぐ主人公の熱い思いには大いに共感するところがあります。特に、特許侵害の裁判のシーンで裁判所に出廷した主人公が、「生きた技術」の意味について自分の思いを熱く語った際の台詞は、忘れることができません。
私はメーカー時代、約20年にわたって営業やマーケティングの業務に携わって来ましたが、その間、ものづくりをする会社にとって、特許をはじめとする知財の管理がいかに重要かということを身をもって体験し、向き合ってきました。