ファストファッションブランドがひしめく原宿に1号店をオープンさせながら、他社とは一線を画した商品戦略を行っているブランドがある。それが「イッツインターナショナル」だ。前回紹介したとおり、イッツは中堅アパレルのフランドル、帝人ファイバー、クラボウ、住金物産、NI帝人商事、フェニックス・ホンコンの6社が共同出資することで生まれた新たな“SPA連合体”。フランドルの代表取締役でもある栗田英俊・イッツ社長は、このブランドで「今までにない“新たな市場”を切り開く」と語る。その「新たな市場」とは一体どんなものなのだろうか。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子、撮影/宇佐見利明)

百貨店の売り上げ悪化は
アパレルにも責任がある

――これまで百貨店を主戦場とされてきた栗田社長だが、この度、6社の共同出資によるSPA連合体「イッツインターナショナル」を立ち上げられた。「イッツ」設立に至るまでに感じていたアパレル業界やフランドルが抱える問題点について、教えていただきたい。

イッツインターナショナル栗田英俊社長

 ご存知の通り、現在、多くの百貨店が売り上げを大きく落としている。ヤングレディースブランドを展開しているフランドルは、売上高の約85%を百貨店に依存しており、その痛手は相当なものだ。

 百貨店売り上げの悪化には、我社(フランドル)にも原因の一端がある。なぜなら、家賃や人件費などの負担が大きい百貨店で商品を販売するには、どうしてもコストに見合う割高な価格設定を考えざるを得なかったからだ。

 それに対して、躍進著しいユニクロやポイント、ハニーズなどの専門店は、ファッションビルや路面店などに店舗を展開し、コストに対してパフォーマンスの高い価格設定でものづくりをされている。

 さらに海外のSPAも含めた低価格のファストファッションの登場は、多くの顧客を惹きつけ、百貨店からの客離れをますます加速させている。

 そうしたなかで、お客様が我が社を含めた百貨店ブランドに「価値」や「魅力」を感じなくなってきたことが、イッツの設立までに感じていた大きな問題点だ。

“初めてのSPA”で目指すのは
「極限のベーシック」

――様々な課題を感じていたなかで、なぜ「イッツ」というSPA連合体を作ることになったのか?

 日本は世界でも独特な雇用制度を持ち、様々な制約がある。したがって、1社だけで製造から販売までを行うのは、雇用の面から言っても現実的ではない。