Q.インターネット通販大手アマゾンの日本法人アマゾンジャパンの社員が労働組合を結成しました。経営者のなかには、労働組合の存在が企業の成長を妨げると考える人もおり、労働組合のない企業も少なくありません。堀江さんは日本の労働組合の制度やその存在意義について、どうお考えでしょうか?

「労働者の団結」というスローガンがすでに時代遅れ
組合に参加してもメリットはほとんどないのでは

A.「労働組合の存在が企業の成長を妨げると考える経営者もおり」というよりも、むしろ「資本家VS労働者」という対立図式自体がおかしいし、時代遅れだと思います。

 すなわち、労働者が団結しないと、労働者に不利益な労働環境が存続してしまうといった時代は過ぎ去ったと思います。

 労働環境はかつてに比べるとかなり改善していますし、そもそも労働基準法に違反している労働を強制させられたのなら、会社に正式に抗議をすればよいだけで、それでも改善されないのであれば、労働基準監督署に申し出るなり、その他何らかの法的な処置を考えればよいのです。

 一方では、雇用が流動化し、働き方が多様化している現在、労働者自身のポジションや考え方も多様化しています。ですので、わざわざ労働者が団結しなければならないという時代は、とうの昔に過ぎ去ったと思います。

 もちろん、日本国憲法で労働組合を結成する権利は認められています。そこに参加するかどうかは個人の自由ですが、参加することによって大きなメリットが得られるかどうかといえば、私は懐疑的です。

Q.小泉進次郎衆議院議員が自由民主党の農林部会長に就任しました。権力への階段を一歩一歩、上がっているように見えますが、堀江さんはどう評価していますか。将来のリーダーたりえるのでしょうか。

進次郎氏は50代で首相当確
でも、ちょっと時間がかかりすぎだよなぁ

A.どこの国の国民も“一応の品質保証されている”という意味で、二世や三世議員が大好きです。それに加えて、父親が小泉純一郎元首相であるわけですから、今後余程のことがなければ首相になる可能性は高いと思います。

 しかし、一歩一歩、上っているかと言えばそうかもしれませんが、私から見れば、むしろ「どうしてそんなに時間をかけているのだろう」と首を傾げてしまいます。

 進次郎氏と実際に話をしてみても、非常に聡明かつ闊達な方で、また政治家としての行動力もあるので、凡百の議員よりも余程リーダーたりえると思います。であるのに、すぐにはリーダーになれない雰囲気なのが、日本の政治の駄目なところですね。

 このまま無難に仕事をこなしていけば、進次郎氏はおそらく50代で首相になれると思います。が、そんなに時間かけていてよいのでしょうか。人生は短いのですから、もっと “生き急いだ” ほうが良いのではないかと思ってしまいます。

 もちろん、スピード重視するとその分リスクを背負うことにもなりますが、リスクを取るのが政治家であるとも思います。