ご飯にこんにゃく米を50%混ぜこんだ「こんにゃく米チャーハン」はニューヨーカー絶賛!

「説明を聞いて、こんにゃくがいったい何なのかわかれば、そして、そのよさがわかれば興味を示して、食べてくださるお客様が増えました」(大井さん)

 さらに低カロリー以上に、アメリカ人への効果絶大なセールストークになったのが「グルテンフリー」という言葉だった。グルテンとは、小麦などに含まれるタンパク質の一種。近年小麦アレルギーが増え、セレブの間でグルテンフリーダイエットがブームになるなど、「グルテンフリー」市場が確立されているアメリカにまさにマッチした食材だったのだ。

 納得すれば、「未知なるものでも食べてもらえる」。関係者全員が「絶対ウケない」と思っていたはずの「刺身こんにゃく」は、「身体にいいベジタブル」とナットクしたニューヨーカーから意外にも好評だったのだ。

「こんにゃくロール」。ネタに刺身こんにゃくを使用したお寿司

 ニューヨーカーたちからの「ヘルシーフード」の支持を得て、こんにゃくメニューの人気は急上昇。とくにこんにゃくヌードル、こんにゃく米チャーハンがそのハートをつかみ、あっという間にレギュラーメニューになった。15ドルと高額でも大人気だ。

 シェフも次々とアメリカ人の嗜好に合わせた、こんにゃくレシピを開発した。巻き寿司に薄く切ったこんにゃくをのせたこんにゃくロール、こんにゃくカルパッチョや、こんにゃくゲルを使ったジェルタイプのドレッシング。こんにゃく入りパン、こんにゃく入りプリン、など、いずれも好評。リピーターも増え、表に飾られた群馬県作成のこんにゃく普及タペストリーの「What is Konnyaku」の文字を見て、店に入る人も増えた。

フランス、ミラノ万博でも大好評!
いまやブレイク寸前の「ヘルシーフード」に

 好評を受けて、「わけのわからない物体扱い」だったこんにゃくが少しずつ、「ヘルシーフード」として海外へと飛び立ち始めた。

 群馬県産こんにゃくのEU、香港、アメリカへの輸出がスタートした。EUについては群馬県から輸出されている農産加工品の多くを、こんにゃくが占めるなど順調に拡大している。

 また、大井さんいわく「空飛ぶこんにゃく」を目指す、画期的なこんにゃく商品も誕生した。「レトルトこんにゃく」である。レトルトの中に、こんにゃく麺あるいは、こんにゃくご飯とソースがどちらも入り、そのまま加熱すればパスタやうどん、リゾットが一気に完成する。「加熱しても、溶けない」こんにゃくならではの強みをいかした商品である。もともとあまり料理をする習慣がない、中国、東南アジアへ市場への展開にも貢献する商品だ。さらに、その利便性から「機内食としての利用も検討されています」と大井さんは語る。

 そして、こんにゃくにとっては、和食が世界ユネスコ無形文化遺産に認定されたことが大きな追い風となった。世界各地で「こんにゃく」の認知度が、じわじわとアップしてきたのだ。