「サンデージャポン」「人生の深イイ話!」にも出演で話題沸騰。「かわいすぎる女子高生社長」として注目されている椎木里佳さん。パパは「鷹の爪」で有名なコンテンツ会社「ディー・エル・イー」の椎木隆太社長です。
本連載は、2月1日にダイヤモンド社から発売される『女子高生社長、経営を学ぶ』の中から一部をご紹介します。
今回は「TGC(東京ガールズコレクション)」の権利を買収した事例をもとに、強いコンテンツとは何か、長く続くビジネスとは何かを学びます。
(取材・構成:佐藤智、竹村俊介、撮影:小川孝行)
「巻き込まれたい」と思わせるしくみをつくれ
パパ 東京ガールズコレクション(TGC)も熱狂させるためには、それなりにド派手にする必要がある。でも、ド派手なショーってお金がかかるから、そのお金をどう集めるかっていうことになるんだよね。
赤字が続いちゃうと、できなくなるわけだから。開催不可となると、それまでの投資が無価値になってしまう。だから、リーダーが何が何でも黒字化して継続させるのは、超重要なんだ。
里佳 イベントって、立ち上げるよりも、ちゃんと続けることのほうが難しいんだね。
パパ 継続するには、「何かを思いつく、実行する、それを成功させる、その成功させた利益を持って、次にまた投資して、成功させる」っていう繰り返しが必要。「よっぽど赤字でも踏ん張るぞ」っていうスポンサーとか企業の気合いがあれば続けられるけど、自走するには利益を生むようにしなければいけないね。
TGCも、実はオーナーがいろいろ変わっている経緯があるんだ。自走できないとオーナーが支えきれなくなって、別のオーナーに変わる。その繰り返しで何度もオーナーが変わった。だけど、今はちゃんと自走できてる。黒字でちゃんと走れるようになってきたんだ。
里佳 有名なだけじゃビジネスにならないこともあるってことか。
パパ 自走できるようになるまで10年かかった。
一方で、3、4年で終わっちゃうイベントもいっぱいある中で、赤字ながらも続いたのは、TGCにはすさまじいファンの熱量とブランド力があったからだと思う。「継続する」っていうのは、そういった熱狂してくれるファンの人への責任でもある。
里佳 そうだね。応援してくれる人もたくさんいるわけだし。
流行らせるよりも長く愛されるほうが難しい
パパ 「鷹の爪」にしても今年10周年、「パンパカパンツ」も8周年を迎えるぐらい経ってる。
いまの時代は、何かを急速に流行らせるよりも、長く愛されるようにするほうが大切だし、難しいよね。実際、「すごく流行ったけれど、最近見ないよね」みたいなコンテンツやタレントも結構存在するでしょ?
里佳 あるね。じゃあ、コンテンツを継続させる秘訣ってなに?
パパ コストを考えながらも、そのコストでは到底できないようなクリエイティブ力を発揮して熱狂を生み出し、有力なメディアなどのパートナーを巻き込んでいく。そういう「エコシステム」を作れるかどうかが継続のコツ。
その仕組みを作れなければ、単独でずっと頑張ることになって、無理。有力なパートナーに「巻き込まれるに値するプロジェクトだ」って思わせるというのは、すごく重要だと思う。だけど、コストをいっぱいかけ過ぎると必ず無理がきて、継続できないことになる。一方で、コストをおさえることを気にしすぎて、クリエイティビティがないと、魅力がなくなって誰も組んでくれない……。
里佳 ようするに、仕組みをつくらなきゃいけないってこと?
パパ そう。でも、意外と欠けていることが多い。「おもしろいけれど自力でずっと頑張っちゃって、結局難しかったね」と終わっちゃうこともあれば、「巻き込んだけれども、コンテンツに十分な力がなくて、思ったより魅力が出せなかった」みたいなこともある。
里佳 たしかにね。どっちか一方になったら継続しない……。
※明日に続きます