(指導及び指示)
第二十七条  保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。
2  前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。
3  第一項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。

「この生活保護法第27条1項に基づく不利益処分には、その処分が実体的に適法であり非違行為に対するバランスも取れていることに加え、手続的にも適法であるという、の2つの意味での適法性が必要です」(吉永氏)

 別府市の処分が合法的であると考えるのは、条文を見る限りは難しそうだ。

 残るのは、対象となった生活保護利用者たちが、「遊技場には立ち入りません」という内容を含む誓約書を提出していたにもかかわらず、誓約書の約束を破ってしまったことに関する問題だ。これに関しては、京都府宇治市で起こった類似の事例がある。

 宇治市では、母子世帯の母親に対して「前夫に養育費を請求します」「異性と同棲しません」「出産したら生活保護を辞退します」などの内容の誓約書を提出させていた。しかし2012年、このことが宇治市議会で問題となり、2012年11月には関与したケースワーカー18人が処分を受けた。生活保護法・厚労省通知等に規定がないにもかかわらず、生活保護利用者に何かを強要することは、本人の同意や誓約という形をとっていても許されないのだ。

「生活保護でギャンブル」を
法で取り締まることはできるのか?

 しかしながら、ギャンブルが「健康で文化的な最低限度の生活」に含まれてよいかどうかは、意見の分かれるところであろう。生活保護費のうち生活費分(生活扶助)は、単身・成人の場合、概ね月あたり7万円。5000円以上をギャンブルに使用すれば、食費や水道光熱費が圧迫されるのは間違いないだろう。競輪ならば「レースを見ることを楽しみ、最後に1000円だけ賭けてみるか」ということも可能だが、パチンコは5000円で楽しめるような娯楽ではない。

 生活保護利用者の言動は、とかく世間の批判にさらされやすいものである。「生活保護なのに○○、働いて納税している自分がかわいそう」「生活保護のくせに△△だなんて、いいご身分ねえ」の「○○」や「△△」に入りうるものは、縁日の金魚すくいで獲った金魚を飼う・100円で買ってきた花を飾る・図書館に行って本を借りてきて読む・スマホを所有する・子どもを進学校に進学させるなど、人間が行ったり「したい」と考えたりする可能性のあるもの全てにわたる。