リーダーはつねに考え続ける

小西さんの「たまたまテレビを見ていたら」「偶然新聞を読んでたら」という話は、これだけではありません。

「タオルの洗濯コストをもっと削減できないか?」と考えていたところ、ペットボトルからつくった使い捨てタオルのニュースが“たまたま”流れていて、すぐに採用を決めたというエピソードもあります。希望するお客様には再生タオルをプレゼントするようにし、洗濯にかかっていた費用を一気に削減できたといいます。

また、お客様が来店した際に、「いまからお願いできますか?」「すみません、あと15分お待ちください」といったやりとりをしていると、そのたびにスタッフは作業の手を止めなくてはなりません。小西さんは「この時間ロスをなくすには、どうすればいいだろうか?」といつも考えていたそうです。

ある日、テレビを見ていると、工場の機械の不具合を示すランプが赤く光っているシーンが放映されていました。それを見た瞬間、小西さんは「これだ!」と思い、店の入り口にランプを設置しました。待ち時間なしなら青、少し混雑なら黄、満員なら赤が点灯するようにして、スタッフがお客様に応対する手間を省いたのです。

私たちもおそらく、小西さんがヒントにしたのと同じような情報や映像に触れているはずです。それがヒントとして映るか、単なる情報として通り過ぎていくかは、ふだんからどれだけ考えているかの違いでしょう。

ちょっとした情報をビジネスに活かし、10分1000円で利益が出るヘアカット専門店をつくり上げたのは、小西さんが「つねに考え続けるリーダー」だったからです。