「添加物は一切使わない」
徹底した大手メーカーとの差別化

 グリンリーフの〈糖絞り大根〉は歯ごたえが小気味良く、ついつい手が出る漬物である。

──他にも漬物メーカーが多くあるなか、グリンリーフの漬物の強みというのはなんでしょうか?

「それは添加物を使っていないというところです。アミノ酸を使えば一瞬、おいしいものはつくれる。でも、飽きちゃうんです。また食べたくなるというのが本当のおいしさなんだと思います。うちは工場のなかにそもそも添加物を置いていません」

高くても売れる「こんにゃく」の圧倒的な競争力こんにゃく工場の内部。白滝などを製造中だった

──それは珍しいですね。無添加の製品をつくっているところでもOEMなどの商品に使うために倉庫には添加物が積まれていたりしますから。

「監査にきた取引先に『添加物の倉庫をみせてください』と聞かれると『ないんです』と答えます。すると『それはないでしょう』と驚かれるんです。調味料の倉庫はありますけど、塩と砂糖と昆布と酢が何種類かあって、あとはみりんくらい。今時、こんなところがあるんだって」

──六次化(第一次産業従事者が、加工や販売など第二次・第三次産業にも携わること)などで漬物をつくっているところは多いですが、御社はどんな風に製造されているんですか。例えば〈糖絞り大根〉のような製品では。

「農園で収穫した大根を洗浄して、半分に切りますよね。で、漬け込みます。天地返しをしますが、それも手でするんですよ。その後は手で切ってはかって、袋詰。口をしめるのは機械ですが、みんな手作業ですよ」

──そういう部分で他の漬物メーカーとの差が出てくる。

「例えば六次化で漬物をはじめるというと速醸漬けをしませんか、という話になります。歩留まりをよくするために野菜に注射したりするんですよ。補助金が出るので機械を買うという話にもなります。しかし、機械を使ったら大手メーカーと同じものになってしまいます。そんな漬物、欲しいと思いますか? だったらその地域がやっているそのままの方法でやったらいいじゃないですか」

──補助金の弊害ですね。

「補助金がよくないのは自分のところにいいものがあるにもかかわらず、それに気づかなくなってしまうところです。自分は農家ですから農業生産の部分が活きない商品はつくりません。原価だってうちは大手メーカーに比べれば倍以上かかってしまいます。そうした部分をお客さんに理解して買っていただくためには、同じ作り方はできない。ただ、コンセプトを理解してもらうための時間はかかります」

 著書のなかでも澤浦さんは手作りではじめたこんにゃくについて『お金がなくてメーカーが販売しているこんにゃく製造機を購入できなかったからです。いまになってみればそれがよかったと思います。もし、メーカーのこんにゃく機械を使用していたら、どこでも販売しているようなこんにゃくしかできず、 価格競争になってしまったでしょう』と述べている。

──コンセプトを理解してもらうためにされている努力などはありますか?

「会社の姿勢は大事だと思います。うちは農場を大事していて、農場でつくったものを加工するという姿勢は貫いている。あとは、やはりお客様との接点、コミュニケーションはなるべく増やすようにしています。気をつけているのは感想やいいことを聞くだけがコミュニケーションではない、ということです。お客様がどんな不安や不満を持っているのかに気づける関係性を作り上げていくことが大事です」