太陽光発電事業も開始
「お客様はこれを望んでいた」

「これだけ農業の衰退が報道されて、食べ手も不安に思っています。不安を解消するために自分たちにできることは、ここで働いている人が継続的に働ける環境をつくることです。例えばうちで働いている人は女性が多いものですから、労働環境の向上ということで託児所をつくっています。それは社員のためにやっているのだけれども、そういったことは社会の課題にもなっているじゃないですか。そういう問題を解決しようとしている会社は、知らず知らずのうちに影で評価してもらえる。そうした会社のものは安心して買ってもらえるんです。あそこいいよ、ってみなさん言ってくださることは、本当にありがたいことだと思っています」

 グリンリーフの本当の『強み』はそうした姿勢ではないか。会社の姿勢が消費者に与える影響を示す象徴的な出来事がある。2011年の福島第一原発事故の影響を受け、売上が落ちたときのことだ。

──食品関係の会社を取材していると安心、安全にこだわっていたところほど、皮肉なことに原発事故の影響を受けたように思いますが。

「たしかに有機のものを扱っている何社かのお店の棚から外されたこともありました。うちも一時的に売上はかなり落ちました。そもそも有機認証のこんにゃくを食べる人たちはみなさん、安心安全に興味がある人達ですから」

 銀行から資金を借り、当面をしのぐなか、澤浦さんは消費者の価値観の変化を感じていた。これまでは無添加、有機栽培が求められていたが、それにプラスする形で、なにか別の姿勢を打ち出す必要がある、と感じた。

「ちょうど、その頃、ある生協の役員をしていたんです。東京で会議があって、参加するとやっぱり暗い話をしているわけです。原発への違和感を持つなかでも、電気などのエネルギーを使わずにはいられない。そんな現実との矛盾のなかで出口のない話をしていた。そっか、こんな気持じゃダメだよな。とてもお客さんに買ってもらえないよって」

 そこで澤浦さんは太陽光発電事業に乗りだした。白滝を売るためにヨーロッパを訪れた時に見た風車の景色も記憶にあった。ヨーロッパでは農業+発電が当たり前。それが農業のイメージアップにも繋がっている。

 本格的な設備投資には当初、銀行も反対していたが、平成16年度から小さな規模では試みていたので、その実績を示すと話はトントン拍子に進んだ。今年の3月には工事も終わる見込みだ。

「太陽光発電をやるって説明したら、お客さんの顔色が変わったんです。お客さんはこういうことを望んでいるんだなって。でもね。日本の昔の農家もエネルギーをつくっていたんですよ」

──エネルギーですか?

「薪や炭です。電気がない時代はそれらの燃料が高く売れたそうです」