「資産運用に興味はあるけど、始めるきっかけがない…」大阪でIFA(インディペンデント・ファイナンシャル・アドバイザー/独立系金融アドバイザー)として活躍する高松綾さん(株式会社泉アソシエイツ代表取締役)が、そんな人の背中を押すエピソードを紹介します。

資産運用の
きっかけは十人十色

高松綾(たかまつ・あや) 奈良女子大学を卒業後、子育てをしながら不動産仲介業者にて経理事務・営業職を経験し、証券会社へ転職。2012年セールスマンとしてではなく、バイヤーとして仕事がしたいと考え、金融商品仲介業者として独立開業し、現在に至る。資産運用がより豊かな人生を送る一助となることを願い、長期に渡ってお客様とお付き合いのできるIFAを目指している。  http://i-associates.jp/

 これまでいろいろな場で、証券会社あるいは金融商品仲介業に携わっていると自己紹介すると、さまざまな反応が返ってきました。
 「興味がないわけではないが、どのように始めればよいのかわからない」
 「何を買えばよいのかわからない」
 など、資産運用は難しくてとっつきにくく、遠い存在で自分自身とは関係がない、どのようにアプローチしてよいかわからない…と感じている方が意外に多かったように思います。

 日銀の資金循環統計(2015年第3四半期速報)を見ると、家計の個人金融資産1684兆円のうち、債券1.5%、投資信託5.4%、株式・出資金9.7%とあります。
 なるほど、この数値からも、資産運用の経験がない方が多いことに頷けますね。

 最近ではいろいろな試みが始まっているようですが、義務教育のカリキュラムにお金の教育がなかった過去を考えれば、無理もないのかもしれません。

 一方で、ほんの少しのきっかけで、運用を始められる方もたくさん見てきました。

 たとえば、お客様からのご紹介で、上場企業で役員秘書をされている女性から、資産運用のご相談を受けたことがあります。
 仕事柄、周囲の方々が運用されている話をよく聞くので、興味はあるけれど、ご自身は自社持株会のみで、証券口座はないとのことでした。
 何から手を付けてよいのかわからないし、調べても次から次へとわからないことが出てくる…とおっしゃっていました。

 「まずは小さく、最初の一歩を踏み出してみませんか?
 資産運用はむりをせず、ご自身のお好きなように、ご自身のご都合で始められれば大丈夫です。

 NISAの活用も考えてみてもいいですね。わからないことは、何でもお尋ねください」

 そうお話しして、質問にお答えしていくと、最初は資産運用に少しネガティブな印象もあったようでしたが、現在は、株式投資と投資信託の積み立てを始められています。

 忙しい方ほど、まず資産運用のパートナー、あるいはアドバイザーを見つけるとよいかもしれません。

 また、こんな方もいらっしゃいました。
 もうすぐ10年近いおつきあいになるお客様ですが、相続で受けとった株式をそのまま保有されていて、運用にご興味はないようでした。
 ある時、福山雅治さんの大ファンと知り、所属事務所のアミューズが上場していて、株式投資ができることをお話ししました。すると、興味を持っていただき、株を買いたいとお返事をいただきました。
 それからというもの、福山さんがCMに出られる会社や、福山さんが関係する会社を一緒に研究しては、投資されています。
 今では、福山さん関連銘柄以外でも、株主優待に着目した株式投資、あるいは投資信託等にも投資されています。

 投資への入口は、人それぞれ。たくさんの道が開かれています。
 資産運用のゴールまでは遠い道程かもしれませんが、一歩一歩積み重ねて、目標に向かう過程も楽しめるといいですね。

お金の教育は身近な必須科目
子どもたちにも学んでほしい

 ところで、日本に株式会社は何社あるか、ご存知でしょうか。
 昨年、みなさんが受け取ったマイナンバーの法人版である、国税庁の法人番号公表サイトで調べると、おおよそ190万社あるようです。
 その中で、上場企業は現在約3500社です。

 株式投資に否定的な方も世の中にはいらっしゃいますが、株式会社に勤務している、株式会社が製造販売している商品を使っている、食べている、着用している、あるいは、株式会社が提供しているサービスを利用しているとか、株式会社が建設した家に暮らしているといったように、何らかの形で、日々、誰もが株式会社と密接に関わっていると思います。

 そもそも、株式投資とは、そのような会社の活動のための資金を出すことです。

 東急リバブルのCMをご覧になったことはありますか? 
 「◯◯って知ってた?」という父の問いに子どもが答えるのですが、知らないことだらけなのに、東急リバブルについてはやたら詳しいのです。このように、企業に詳しい子どもが増えると頼もしいなと思います。

 フルグラを食べながらカルビーについて、ポカリスエットを飲みながら大塚製薬について、ブルガリアヨーグルトを食べながら明治についてと、食卓の上だけでも教材は無数にあります。
携帯電話、車、洋服…興味の持てるものをきっかけに、上場企業への株式投資を始めれば、世界の動きや社会の仕組みを親子で学ぶこともできます。
 そのひとつのツールとして、ジュニアNISAを活用するのもいいかもしれません。

資産運用の先にあるもの

 株式投資のことばかり書いてきましたが、もちろん資産運用の手段は株式投資だけではありません。投資信託の積み立てや、債券での運用、ETF等を用いれば不動産はじめ、あらゆるものに投資できます。

 当然のことながら、それぞれにリスクがあり、またリスクをとらなければリターンはありません。
 NISAもよいことばかりではなく、不便な部分もあります。しかし、

 「知識が増えることによって世界が広がった」
 「保有株が増えるたびに楽しみが増えた」
 「資産運用を始めて、将来の不安が減った」
 そういった声も多く聞ききます。

 資産運用を必要としない方もいらっしゃると思いますが、「わからないから」という理由で、まだ一歩を踏み出せていない方は、(私もよく利用しているので)まずは楽天証券など証券会社のホームページを見るだけでも、何かを手に入れられると思います。
 人生をより豊かにするために、資産運用を取り入れてくださればと思います。

IFAは、お金の働き方を共に考えるパートナー

本記事の高松綾さんも登場。IFAに相談したい人、IFAになりたい人の必読書。『証券営業プロフェッショナル 会社のためのセールスから、お客様のためのサービスへ』(ダイヤモンド社)

 限りある時間とお金。一人ひとりが自分の資産を見直して、思い描く社会の実現に役立つようにお金を動かしてゆく――。
個人金融資産は1684兆円もあります。世の中を一歩一歩動かすことができるだけの資金だとは思いませんか?

 毎月、積立投資の運用から何十億円単位の運用まで、そのパートナーとして、セカンドオピニオンとして、お客様お一人お一人に貢献できるよう、私も研鑽を積んでいきたいと思います。