ゴルフコンペの前日は練習をせず、当日の朝に空気の球を打ってイメージをよくする、というのが前回の話。今回は、スコアメークのカギを握る「グリーンの攻略術」です。
スタート前に必ずやってほしいのは、パターの練習です。わずかな時間しかなくても練習グリーンに行って、ボールを何球か転がしましょう。その目的は、そのコースのグリーンコンディションをつかむことです。
グリーンコンディションというのは、それぞれのコースによって大きな違いがあり、芝の種類や長さ、硬さなどによって、スピード(速さ)が変化していきます。また、同じコースでも天候やメンテナンスによって、ボールの転がりが変わるので注意が必要です。
まず練習グリーンに行ったら、ティーペグを10メートルくらい先に刺して、そこに向かってボールを打つことから始めましょう。グリーンコンディションをつかむには、ロングパットがお勧めです。10メートルの距離を一つの基準にして、その距離を行ったり来たりします。そうすると、そのラインが上りでも下りでも、往復することによって「平らの距離感」が生まれてくるわけです。
1つの基準をつくっておけば、本番のグリーンで対応がしやすくなります。たとえば、一番ホールのファーストパットが15メートルだったら、基準のストロークよりも強めに、8メートルだったら少し弱めに打てば、2パットでいける確率が高くなるのです。
また、10メートル先のティーペグに向けて、ボールを3球続けて打ち、その平均値を知っておくことも重要です。3球ともショートする場合は、自分の距離感に対して、そのグリーンのスピードが遅いので、本番では少し強めに。反対に、3球ともオーバーするようなら、少し弱めに打つことがコツです。
練習グリーンでショートパットばかりを繰り返して、「カップインの満足感」を得ている人がいますが、それはあまり本番に結び付きません。カップ周辺は人が多くて混雑もしているので、そこを避けて練習するのが賢明です。
(取材・文/小山俊正)