「統計家」ってどんな仕事ですか?

川村 「統計家」と名乗っている人は、日本でどれくらいいるんですか?
西内 英語では「スタティスティシャン(Statistician)」と呼ぶんです。統計学の手法自体を作る「統計学者」と、統計学の力を使って応用の研究や実際の業務をお手伝いする「統計家」の両方が含まれます。ただ、日本で僕みたいに公に「統計家です」と名乗っている人は、あまりいないかもしれません。

川村 そうですよね。今は「ビッグデータ」という言葉が出てきて、どの企業もデータを活用しないといけない空気がある。だから、データを分析する部署があったり、それ専門のコンサルタントに特化した企業はあるけれど、フリーの統計家は西内さんが初めての人で、西内さんが発明した商売なんじゃないかと思います。
西内 最近はデータサイエンティストという職業もあって、「ビッグデータの分析をしますよ」って人たちなんですが、どちらかというと僕はデータを使うことをできるだけ当たり前のものにしたいし、一般にも広めていきたい。理想はデータサイエンティストという職業が要らなくなる社会です。

川村 今はどういう企業で、統計の仕事を担当されているんですか?
西内 あらゆる業種ですね。IT系や小売系、アパレル系の企業もお手伝いしています。大手の英会話教室では、どういう人がどう勉強して、1回の授業を受けることでTOEICのスコアが平均何ポイント上がるのか…みたいなことを分析しています。