「目的・ゴール」「最終的なアウトプットイメージ」をはっきりさせた後、「プロセス/手順」を洗い出し、そのプロセスごとに「判断基準」と「必要なもの」を明確にする。そして、各プロセスで「これで良し」と自信を持って仕事を進め、アウトプットにつなげていく。トヨタの新しい仕事の進め方です。今回は、『トヨタの自工程完結』のポイントの5つ目、正しい結果を導き出すために「必要なもの」を抜け・漏れなく出す、を紹介します。
ベテランが仕事をするときには、精度の高い意思決定をするための材料はたくさん、広範囲にわたって出すことができます。それまでの経験があるからです。
ところが、まだ経験が浅いと、たくさんの材料を出すことができません。結果的に、結論を間違えてしまうようなことになりかねないのです。
工場では、正しい結果を導き出すために必要なものを「良品条件」と呼んでいます。スタッフ部門なら、情報、指定の機器やソフトウエアなどの道具、人の能力、理由/注意点といったものになるでしょう。
そしてこれらは、プロセスごとに求められます。したがって、「プロセス/手順」ごとに、正しい結果を導き出すために「必要なもの」を抜け・漏れなく、ピックアップしていく必要がある、ということになります。
例えば、会議の準備という仕事を考えて、これに関する「必要なもの」は、どんなことが考えられるでしょうか。
「○○を決める」会議に必要なもの
・会議で使う説明資料
・会議室、プロジェクターなど
・主催部署として必要な知識
・会議の具体的な進め方
・会議を進めていくうえでの注意点……
一般的には、このようなことが必要になってくるでしょう。これらすべてをしっかり準備することで、会議は成功に近づくのです。
(次回は、4月27日に公開予定です)