従来のCTやMRIと組み合わせれば
より精密ながんの検査が可能
PET(陽電子放射線断層撮影法)検査は、腫瘍の良悪性の識別、原発巣検索、再発・転移の検査に役立つ。
そのメカニズムは次のとおりだ。がん細胞は通常の細胞より3~8倍程度多くブドウ糖を消費する。この性質を利用し、ブドウ糖に似た専門検査薬を静脈注射して、その集合体を画像化することでがんを発見できる。特に頭頸部がんや卵巣がん、悪性リンパ腫などの発見に有効といわれる。
従来のCT(コンピュータ断層撮影)やMRIががんを瘤として「形状」で認識できたのに対し、PETは細胞の活動度、つまり「機能」を測るため、両者を組み合わせれば、より精査できるというわけだ。
どのような観点で実施機関を選ぶべきなのか。これは脳ドックや内視鏡でも共通だが、(1)最新鋭の機器、(2)画像診断の確かな医師、(3)問題が見つかった場合の治療との連携が挙げられる。おおまかな目安はやはり、検査件数の多さのようだ。
自由診療で10万円前後
一定条件を満たせば保険の適用も
PET検査の料金は自由診療扱いのため、10万円前後とかなり高い。ただし、厚生労働省の基準により、一部の疾患で一定の条件に合う場合は保険適用となる。各医療機関や自治体に問い合わせてみよう。
PETは発展途上の機器であり、一部で問題も指摘されている。肝臓や胃、前立腺などの部位や、1センチメートル以下の早期がん発見の精度が低いというのだ。体の状態や希望に合う検査の組み合わせについて、まずは医療機関に相談してみるのがよいだろう。