三菱自工・スズキと国土交通省とで
食い違う「不正」の解釈

スズキの「緊急会見」の後、11日の時点で実施が確定していた三菱自工の「4回目の会見」が行われた。配布された資料には、かなり細かい内容で「不正」に関する説明があった Photo by Kenji Momota

 次に、5月18日のスズキ(午後4時から)、三菱自工(午後5時半から)それぞれの会見について感想を述べたい。

 最も気になったのは、「不正」に対する解釈だ。

 三菱自工は軽自動車4車種については「不正事案」と呼ぶが、それ以外で現在発売されている9車種に関する「事案」については「不正」という言葉を使わないようにしている。

 一方、国土交通省の「不正」に関する解釈は違う。

 三菱自工については、(1)燃費を実際よりよく見せるためのデータの改ざん、(2)机上計算によるデータの補正、そして(3)惰行法による計測を行っていないことの3点が「不正」で、その中でも(1)が一番の問題だと指摘。

 また、スズキについては、(1) 机上計算によるデータの補正、(2) 惰行法による計測を行っていないことの2点が「不正」にあたると説明した。

 これは、スズキが同日に配布した「国土交通省への報告について」というプレスリリースのなかで、「社内にて測定したデータについて調査したところ、燃費性能を偽る不正行為はございませんでしたが、四輪車の排出ガス・燃費試験業務について、国土交通省が定める規定と一部異なる取扱いがございました」という内容と食い違う。国土交通省の判断では、スズキが呼ぶ「同省が定める規定と一部異なる取扱い」、つまり先述の(2)を、「不正」と呼んでいる。

 結局、一連の事案において、三菱自工とスズキそれぞれが考える「不正」とは、型式認証を取り消す必要があるほどの「誤差の範囲を超えた、はっきりとした燃費の差が出る行為」だ。しかし、これはあくまでも両社それぞれが「勝手に設定した基準」に過ぎない。