コメリ(新潟県/捧雄一郎社長)は、2010年7月23日の午前9時、「コメリ ハード&グリーン(以下H&G)古志店」(島根県出雲市)をオープンし、1000店舗目の出店を果たした。HC業界初の快挙で、1000店舗の内訳はH&G860店舗、HC126店舗、パワー14店舗となる。

 コメリのHC事業は、新潟県で米穀商を営んでいた現会長の捧賢一氏が、1977年4月20日新潟県三条市にHC1号店を出店したのが始まりだ。1983年には新業態としてH&Gを開発し、1991年末には店舗数が100店舗を突破。

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 その後2001年末には500店舗を達成。キッコリーおよびミスタージョンをグループに加え、2003年度末には、大型店舗のパワーを出店し、売上高2000億円を突破、店舗数も600店舗を超えた。2007年には九州への進出を開始し、わずか3年3ヵ月後の今年4月に100店舗を達成している。

 2010年3月期の決算では、連結営業収益2854億79百万円(前年同期比2.9%増)、連結経常利益144億31百万円(同比5.2%増)、連結当期純利益64億60百万(同比0.6%増)で、23期連続の増収となった。昨年度から店舗改装に注力しており、H&Gを中心に172店舗で改装を実施。厳しい商品環境にあり、HC業界全体で苦戦するなか、既存店売上高は0.8%増の結果を残している。

 商品戦略では2010年3月期のプライベートブランド(PB)商品の売上構成比率(灯油を除く)は前期比1.5%増の27.8%となったが、今期は30.0%を目標とする。前期には自社ブランドを整理統合し、カテゴリーに区分けして5ブランドに集約した。特定のカテゴリーでは「ナンバーワン戦略」を推進し、たとえば約15年前に開発された長ぐつの年間販売量は約200万足に達し、日本国内のシェア約14%を誇る。こうした単品で訴求できるアイテムを増やしていく方針だ。

 今期のPB比率30%達成のため、昨年10月に吸収合併した連結子会社アテーナの持つPB「アテーナライフ」の販売を強化している。H&G古志店でもカーペット約30SKU、い草ラグ約20SKUを訴求していた。

 1000店舗達成について、捧雄一郎社長は「全国の市町村の3分の2では、いまだに出店できていない。まずはH&Gでの1000店舗出店が次の目標となる」と話す。大型店舗のパワー業態は、今年4月に長崎市に出店し14店舗体制となった。「まずは仮説を立てて、支持されるものを水平展開していく」(捧社長)としており、まだ標準化するには至っていない。今後はH&Gの出店を追いかける形で、デポ機能を持つパワーの業態開発を進める方針だ。

 直近2年間は出店を抑制したため、連結営業収益の増加率は1.7%、2.9%の低成長となったが、今期は50店舗の出店を計画しており、連結営業収益3000億円(前期比5.1%増)達成をめざす。

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