ウソをつくと、ダメージは計り知れない

 もうひとつ。伝え方で大切なこと

 「ウソをつかない」

 ウソをつくと、自分が想像している以上にバレます。一説にはウソは50%が見抜かれるとも言われています。そしてバレたときは2倍のダメージをうけます。ウソは、あまりにも危険すぎるのです。舛添氏がホテル三日月で会ったという出版社社長。その人物は明かせないという話になっています。すでにその人物が実在するかあやしいと言われていますが、もしそれが架空の人物でしかなく、正月のホテル滞在は家族旅行でしかなかったら。今後、政治家としてはもちろんのこと、社会人として仕事をしていくことが困難になるのではないでしょうか。万が一、ウソだったときのダメージは計り知れません。それだったらはじめから「家族で行ったホテル代を間違えて落としてました。すみません」と言ったほうがはるかにマシです。

 人間はミスをおかす動物です。大小はあれ、誰だって謝らないといけないシチュエーションがこれからもあるはずです。そんなときはこの、「謝り方3原則」に加え、「ウソをつかない」。こちらを覚えておいていただければと思います。

伝え方にはコツがあり、学べる

 伝え方にはコツがあります。

 それは、「どれだけ相手のことを想像して話ができるか」。これにつきます。今回でいうなら、「舛添氏自身が何を言いたいか」ではなく、「世の中がなんと言って欲しいか」を想像すること。それが舛添氏にはできていませんでした。知事の仕事というのは、困難なことを乗り越えたり、難しい交渉を通したりすることが多いと思います。知事の仕事とは「伝える」ことが大きな仕事でしょう。舛添氏は、もっとそれを知っておくべきだったかもしれません。

 そして私たち日本人も、伝え方についてもっと学んでもいいと思います。伝え方は「センス」ではなく「技術」です。誰であっても学ぶことができます。ビジネスやプライベートで何かをやりとげるときに、困難にぶつかることもあります。そんなときに、助けになるのが「伝え方の技術」です。これは、知っているか知らないかで決まってしまいます。人生のどこかで一度知っておくと、ピンチのときに、あなたを救うかもしれません。

舛添氏を反面教師に学ぶ「謝罪も伝え方が9割」

佐々木圭一(ささき・けいいち)
コピーライター/作詞家/上智大学非常勤講師 上智大学大学院を卒業後、97年大手広告会社に入社。後に伝説のクリエーター、リー・クロウのもと米国で2年間インターナショナルな仕事に従事。日本人 初、米国の広告賞One Show Designでゴールド賞を獲得(Mr.Children)。アジア初、6ヵ国歌姫プロジェクト(アジエンス)。カンヌ国際クリエイティブアワードでシルバー賞他計3つ獲得、AdFestでゴールド賞2つ獲得、など国内外51のアワードを獲得。郷ひろみ・Chemistryの作詞家としてアルバム・オリコン1位を2度獲得。twitter:@keiichisasaki Facebook:www.facebook.com/k1countryfree HP: www.ugokasu.co.jp