しかしこれ以降も、資金が実体経済に戻って来ることはなく、大型商品価格の高騰により大量に先物市場に流入し始めた。3月の先物市場取引量は昨年12月の3兆3700億枚から5兆4400億枚に急増し、史上最高レベルを記録した。民間投資資金は「実体からバーチャルへ」向い続け、各種の資産が順番に強気となり、その動きを相互に増幅させている。

原因3:政府投資の「押しのけ効果」

 政府投資は民間投資に対し、明らかな「押しのけ効果」を生み出している。

 公共サービス部門は良好な投資収益率を提供できるが、これらの業界における民間投資は巨大な参入障壁に直面している。上場企業の純資本収益率から見ると、15年に高収益だった業界は、医療衛生・社会活動、水利・環境・公共施設管理、文化・スポーツと娯楽業、建築業の順である。中でも前の二つの業界は非常に強い公共サービス属性を持ち、人口の高齢化と住民の生活レベル向上という背景のもとで、大きな需要不足があり、リスクが比較的小さいうえに高い利益が見込めるが、民間資本はしばしばここに参入する入り口がない。

 今年1~4月、医療衛生・社会活動と水利・環境・公共施設管理の2つの業界における民間投資の割合は、それぞれ38%と22.9%しかなく、政府投資の割合が大きい。同時に政府投資のこの2つの業界における増加速度は、それぞれ民間投資よりも8.1と27.5ポイント高く、政府が長期的に市場を占拠するばかりか、これらの独占的性質をもつ高収益分野への参入をさらに加速していることが分かる。

 高収益率をもつ非公共サービス部門でも、政府投資が大挙して参入する現象がみられる。政府はこれらの強みを背景に、民間と利益を競っている。上に挙げたその他2つの高収益率業界である文化・スポーツと娯楽業、建築業は産業自体に独占的体質はなく、民間部門が参入しやすい分野である。

 しかし、今年の1~4月、この2つの業界においても、政府投資総額の成長速度は民間投資よりもそれぞれ24.2、48.1ポイントも高かった。中でも文化・スポーツと娯楽業は近年成長が著しい新興消費部門であり、その比較的高い投資収益率に引き寄せられ、15年上半期の民間投資は、一度は猛烈な成長が見られたが、今年に入って民間投資の割合は急落している。その原因は政府投資が大幅に増えた結果、民間企業が融資コストと地位の非対等という状況におかれ、退出を余儀なくされた可能性が高い。